電通 <4324> 子会社で海外事業を統括する電通イージス・ネットワークが発表した「世界の広告費成長率予測」で、世界の広告市場は2017年に前年比3.8%増、2018年は4.3%増と順調な成長が見込まれることが分かった。2018年にはデジタル広告がテレビ広告を抜き、最大の広告メディアになるという。

2018年はスポーツイベントが成長率を押し上げる

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(写真=Alissa Kumarova/ Shutterstock.com)

同予測によると、2017年の世界の広告費は前年3.8%増の5634億ドルとなり、2016年の4.8%成長から減速する見込みである。

しかし、2018年には成長が加速し、4.3%増の5876億ドルとなる。2016年はブラジルでの夏期五輪や米国大統領選挙等のイベントがあり、その反動で2017年に成長は一時減速すると見られる。2018年には韓国の平昌での冬季五輪やロシアでのFIFAワールドカップ等のスポーツイベントが成長率の押し上げに貢献する。

世界最大の広告市場である米国は、2016年に大統領選挙の影響もあり5.0%増と高い成長率を示した。2017年は3.6%成長に減速するが、2018年には4.0%成長となる。2017年の世界の広告費に占める米国の割合は37.7%に達するという。

世界第2位の広告市場である中国は、2016年に7.4%成長を果たし、2017年は6.0%、2018年は5.4%と減速傾向ながらも高い成長率を維持する。インドは広告市場の成長ペースが著しく、2016年の11.9%成長から、2017年は13.0%、2018年は12.2%と主要国で唯一2桁成長を続ける。

日本は、2016年に1.9%成長、2017年、2018年は共に1.7%成長を見込む。世界全体の成長ペースには劣るが、安定的な成長が予測されている。

デジタルシフトが進む広告市場 モバイル広告が存在感を増す