ゆうちょ銀行 <7182> とかんぽ生命 <7181> が申請していた新規事業について、金融庁と総務省が認可すると発表した。ゆうちょ銀行は口座保有者向けの無担保融資等、かんぽ生命は終身保険や定期年金保険の見直し等の事業が行えるようになる。郵政民営化の明確なゴールが示されていない中での事業拡大は、民業圧迫であるとの反発も多い。
ゆうちょ銀行は個人向け無担保融資、かんぽ生命は終身保険見直し
郵政民営化法に基づき、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の新規業務参入に際しては、事前に金融庁と総務省へ認可申請を行う必要がある。政府関与の強い両社と他の金融機関との間の適切な競争環境が確保されている事を確認する為である。郵政民営化委員会の意見表明を経て、金融庁と総務省の認可が下りれば、参入できる。
今回、ゆうちょ銀行が申請したのは、「口座貸繰サービス」と呼ばれる個人向け無担保融資業務である。口座残高がゼロになっても、限度額までは代金引き落としや現金引き出しが行えるものであり、事前審査を行えば利用可能となる。また、資産運用の幅を広げる為、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などの市場運用業務の申請も行っていた。
かんぽ生命が申請したのは、終身保険や定期年金保険の見直しである。保険の設計に柔軟性を持たせる事で、顧客ニーズに沿った商品を提供する事が狙いとなる。
ゆうちょ銀行、かんぽ生命共に3月31日に金融庁、総務省へ新規業務の認可申請を行った。郵政民営化委員会は6月14日の会合で「問題ない」との意見表明を行っており、金融庁、総務省の認可が下りた事により、新規事業参入の目処が付いた事となる。尚、ゆうちょ銀行は新規事業にあたって、銀行法に基づく承認を金融庁から得る必要があり、体制の整備を進める。ゆうちょ銀行は2019年にも新規事業を始める計画である。かんぽ生命については、10月からの新規事業開始を目指す。