中国の証券情報サイト「中証網」によると、中国人民銀行(中央銀行)金融研究所の孫所長が近日開催された「Fintech時代の消費金融創新発展サミット」において、中国の経済成長にとって消費と投資の均衡が重要と述べた。そのために個人消費を経済成長の柱とすること、経済機構(国有企業など)を刷新してレベルアップすることの2つが核だ。内需主体の体制を作ること、国有企業の機構改革が必要という認識である。そして消費者金融の拡大が、内需にプラスをもたらすのは言うまでもない。
爆発的成長を遂げた消費者金融
個人消費は堅調である。先日発表された「社会消費品小売総額」統計によると、2017年1~5月までの累計で▲10.3%伸びている。これは賃金の伸び率に近い。その他の収入、例えば消費者ローンはどうなっているのだろうか。
中国の消費者金融の発達はあまりにも急速だ。最新の「2017消費者金融洞察報告」によると、ネット消費者金融の規模はこの4年間(2013~2016年)で60億元から4367億1000万元へ、約70倍の“爆発的成長”を遂げた。4年間の平均増加率は317%である。
清華大学が昨年全国24都市で行った「中国城鎮家庭消費金融調査」によると、家庭総資産に占める消費者金融の割合は0.1%に過ぎない。これに住宅ローンと自動車ローンを合わせても2.4%だ。米国ではこの比重が25%にもなるという。その他の先進国も中国よりは高い。このことからも中国の消費者金融には、まだ巨大な潜在力があるのは明白である。