Amazonが欧州で自動車仲介事業を拡大することが、欧米メディアの報道から明らかになった。すでにイタリアで試験的に実施中のサービスを、フランスや英国でも開始するという。

報道直後、既存のオンライン自動車仲介業者の株価は急落し、英国大手業者は最高6%の下落を見せたものの、現時点では自動車メーカーとは仲介業者が直接取引を行うのが一般的であることから、深刻な脅威とは見なされていない。

欧州で専門チームを結成 本格運転に向け準備中

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

数年前から中古車販売や部品販売 で自動車販売市場に進出していたAmazonだが、2016年11月にはイタリアの人気自動車メーカー、フィアット・クライスラーと提携し、「フィアット500」「フィアット・パンダ」などの仲介サービスをイタリアで試験的に行っている。

Amazonが消費者とディーラーの橋渡し的役割を果たし、契約が成立すれば少額の仲介手数料を徴収するというシステムで、2017年末までを試験期間としている。

またスペインの大手自動車メーカ、セアトとも、同様の試験サービスをフランスで実施すると報じられているほか、英国を含むその他の欧州市場への進出を視野に、ブリュッセルで専門のチームを立ち上げたようだ。

3月には元国際コンサルティング企業、オリバー・ワイマンの自動車部門責任者を迎え入れるなど、事業拡大に向けた動きが活発化している。

4割が「オンラインでの車購入を検討」

オンラインで車を探す消費者は年々増加傾向にある。フランスのコンサルティング企業、キャップジェミニが世界8カ国、8000人の消費者を対象に実施した調査では、41%が「オンラインで車を購入したい」と回答した。

インターネット・ショッピングを消費者に強くアピールすることで、時価総額を4754億ドル(約 53兆546億円/Ychart6月19日データ) に押し上げたAmazonにとって、次なる事業拡大領域が自動車仲介産業であっても不思議ではない。次世代自動車の開発が進む自動車産業に大きな転換期が訪れている今、本格的な進出を果たすには絶好の機会かも知れない。

コメントを求められたAmazonは沈黙を守っている。

フィアットEMEA部門責任者「Amazonはあくまで仲介チャンネル」

Whole Foodsの買収で世間を驚かせたばかりのAmazonが、成長株であるオンラインの自動車関連事業を拡大するという報道を受け、欧州のオンライイン自動車仲介業者の株価は下落。英大手オート・トレーダーの株価は最大6%落ち込んだ。

既存のオンライン自動車仲介業者にとっては、けっして歓迎すべき流れではないことが予想されるものの、今のところそれほど緊迫した様子は感じられない。

4%の下落を見せた英ルッカーズのチーフ・エクゼクティブ、アンディー・ブルース氏は、消費者のオンライン・ショッピング趣向が高まっていることを認める一方、自動車販売に関してはメーカーが業者を通して販売するシステムが確立されている点を挙げ、「深刻な脅威として見なしていない」と余裕の構えだ。

テスラのように消費者への直販を行っているメーカーは特殊な例で、リスクを伴う懸念が根強い。Amazonと提携しているフィアットEMEA部門責任者、ジャンルカ・イタリア氏も、Amazonがあくまで仲介チャンネルである点を強調している。

肝心のジェフ・ベゾスCEOの意図がどこにあるかは、時間の経過と共に明らかになるだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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