Amazonの第2の本社建設計画に対して、各都市による立候補が終わった。正確な数字は公表されていないものの、100都市以上が入札に関心を示していたと報じられている。

選ばれた都市には50億ドルの投資と20年間にわたる5万件の高所得職(年収10万ドル以上)が 約束されている。

現時点ではマサチューセッツ州ボストンかコロラド州デンバーが勝者として予想されるが、最終結果は2018年まで発表されない。新本社は既存のシアトル本社と同等、あるいはそれを超える規模になるといわれている。

第2本社は「成長が期待できる安定した事業環境」に開設

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

Amazonは理想的な候補地の 条件に「人口100万人以上」「成長が期待できる安定した事業環境」「優秀なIT人材にとって魅力的な環境」を提供できる都市を挙げている。

さらにはロケーションや不動産のオプションを考慮し、「大胆で創造的なコミュニティー」を望んでいる。新たな本社建設はもちろん、大量の雇用者を収容するのに十分な住宅数(あるいは住宅建設用の土地)、交通の便の確保は重要だ。

ほかにもシアトルやニューヨーク、ワシントンなどに運行している「主要空港付近」など、候補都市の基準を照らし合わせていくと必然的に候補地が絞られる。

Amazonは「審査は始まったばかりで、各都市が同じスタート地点に立っている」とコメントしているそうだが、(シアトル・タイムズ紙より )メディアは立候補締め切り前から候補地の予想を行っている。

IT人材が確保しやすく生活費が低め、交通の便もよいボストン、デンバー

現時点での最有力候補はボストンとの見方が強い。「Amazonのシニア・エクゼクティブがボストンを推している」とブルームバーグが報じていた 。ボストンはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学といった「未来のIT人材の宝庫」に近接しており、主要都市への直行便もでている。ほかの大都市と比べると生活費も低めで、第2本社開設条件を満たしている。

デンバーも同様の環境を提供できると予想されている。コロラド州はGoogleやTwitter、IBMなどの国際IT企業がオフィスを構えていることで知られる。Googleは今年に入り、コロラド州の従業員数を2倍に増やした(デンバーポストより )。

サンフランシスコやニューヨークといった既存のIT都市が選ばれる可能性は低いかも知れない。人材誘致・確保という点では魅力的だが、従業員が負担する生活費や住宅事情などを考慮すると、Amazon提示している条件からは程遠い。

首都ワシントンはどうだろう。中心部と想定すると特にコスト面で候補から外れるが、通勤の便の良い郊外に従業員の拠点を置くという手段も考えられる。また近年、サンフランシスコから人材が流入しているとの情報もある。

既に競走から脱落した都市もある。サンアントニオは「条件を満たさない」との理由で入札を取りやめる意向を表明したほか、「インディアナポリスなどは人材を惹きつける都市としての魅力に欠ける」と評価されている(CNBCより )。

また交通渋滞がひどい上に公共交通の便が悪いマイアミやアトランタ、ダラスなども、従業員にとっては理想の環境とはいえないだろう。クリーブランドのようにかたくなに沈黙を守っている都市もある。

いずれにせよ開設地として選ばれた都市にとっては、巨額の投資と大量の高給与職創出で類を見ない活性化が狙えるチャンスとなる。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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