米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが、カナダの住宅金融会社、ホーム・キャピタルの株の38%を4億加ドル(約335億3477万円)で取得するほか、20億加ドル(約167億 7387万円)で与信枠を設ける。

取引は発表当日(6月21日)の終値を33%下回る、一株10加ドル(約838円)で合意。バークシャーは事実上、ホーム・キャピタルの筆頭株主となる。

「少ないリスクで大きく儲ける」バフェット流救済投資

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

借り手の所得に関する文書改ざん疑惑が火種となり、ホーム・キャピタルの株価は4月以降、60%以上も暴落 。信頼性の低下から預金の引き出しが殺到し、20億加ドルの融資枠確保を余技なくされるなど一気に経営難におちいっていた。

今回の動きは、「長期的な信頼が期待できる株を暴落時に取得し、値を戻した時に一部売却後、残りの株を保有する」という、バフェット氏お得意の企業救済策となる。バフェット氏は2008年の経済危機の際、同じ手法でゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカに資金を提供し、後に巨額の利益を得た。

その後米経済が順調な回復基調に向かったため、救済的な大型投資は近年途絶えていたが、「少額をリスクにさらし、大きく儲けるバフェット流投資」 が、久しぶりに世間を騒がすこととなった。

バフェット氏はホーム・キャピタルの「強固な資産」「住宅ローンの組成・対応能力」「成長株の市場分野におけるリーダー的位置付け」を高く評価し、「魅力的な取引だ」と心境を語った。投資は傘下、コロンビア・インシュランスを通して行われる。

与信枠の金利9%は「信用リスク代」?

バフェット氏による救済資金注入の知らせを受け、ホーム・キャピタルの株価は27.2%上昇 。バフェット氏によせる投資市場の信頼が、そっくりそのまま株価に反映された結果といえるだろう。

しかしこうした救済的投資が、バフェット氏にとって大きなリスクをともなう危険な賭けであることは間違いない。あらゆる投資に、リスクがつきものなのは周知の事実である。バフェット氏にとっての最たる例は、2016年に口座不正開設事件で失脚したウェルズ・ファーゴだ。

金融危機の最中にも収益を維持してきたウェルズは、バフェット氏が唯一「永久保有銘柄」として認定していた優良銘柄であった。しかし金融市場をゆるがす一大スキャンダルがきっかけとなり、信頼を地まで落とすこととなった。バフェット氏がいたく気に入っていた「堅実な経営スタイル」が虚像であったことが明るみに出ると同時に、ウェルズ株の暴落でバフェット氏は14億ドル(約1173億7171万円)を失ったと報じられている。

バフェット氏は今年に入り、ウェルズ株の持ち分を圧縮しているが、ホーム・キャピタル株が暴落した時期と前後しているのは単なる偶然だろうか。

米投資会社、キーフ・ブリエット・アンド・ウッズのアナリスト、マイヤー・シールズ氏は、バークシャーがホーム・キャピタルへの与信枠に9%という金利を課した理由を、「信用リスク代」だと説明している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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