2040年度のJR四国利用者総数が2015年度に比べ、17%減少する見込みであることが、国土交通省四国運輸局の推計で明らかになった。訪日外国人観光客の利用増が見込まれるものの、それを上回るペースで沿線人口の減少が進むためで、民営化後一度も本業の営業損益が黒字になっていないJR四国の経営は、一段と厳しさを増す見込み。

JR四国は今夏にも国や地方自治体、経済界と四国の公共交通のあり方を考える懇談会を設置、10年後、20年後のあり方を検討する考えだが、自治体が線路などの施設を保有し、JR四国が運行に専念する上下分離方式の導入など抜本的改革の検討を迫られそうだ。

鳴門線と予土線は30%を超す大幅減少

四国運輸局は近年の利用者数を基に、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の人口予測や4県を訪れる宿泊者数などを勘案して2040年度の路線別利用者数をはじき出した。

それによると、JR四国が運行する全9路線の利用者数は、2015年度が5991万人だったのに対し、2040年度は17%減の4974万人まで落ち込むと推計された。

路線別にみると、全利用者の4割以上を占める予讃線(2040年度予測利用者2284万人)をはじめ、徳島線(349万人)、瀬戸大橋線(662万人)、高徳線(563万人)の計4路線は10%台の減少にとどまったものの、土讃線(660万人)、牟岐線(286万人)、内子線(92万人)の3路線は20%台の減少となった。

表1

利用者数がもともと少ない鳴門線(54万人)、予土線(24万人)の2路線は30%を超す大幅な減少が見込まれ、路線の維持が困難になる可能性も否定できない。複数路線にまたがる利用者を各路線に計上したため、全路線とも実際の利用者数より大きな数字が出ている。実際はもっと厳しい数字になる可能性が大きいわけだ。

四国運輸局交通企画課は「訪日外国人観光客の増加を見込んでも、人口減少の影響が大きかった。この数字を参考にして今後、四国の公共交通ネットワークのあり方を考えていきたい」と述べた。

2016年度の鉄道運輸収入はピーク時の6割