経団連が集計した大企業の2017年夏のボーナス平均妥結額は、前年比4.56%減の91万7906円と5年ぶりの減少となった。
当てにしていたボーナスの額が昨年より少なくなったために、子供の夏休みに合わせたレジャー、気温の上昇とともにアップする光熱費など、家計のやりくりが重要になってくるが、その前に待ち構えるのがいくつかの商品、サービスの値上げだ。7月から値上がりするもの6選をピックアップする。
食卓からレジャーまで 値上げの影響は幅広く
(1)小麦粉
節約のために、外食や惣菜の購入を控え、自宅でパンやピザ、餃子などを手作りする消費者も多いだろう。その際に利用する小麦粉が値上げの対象となる。
日清フーズは「カリメヤ(1kg)」の価格を2.3%引き上げる。これは、4月に輸入小麦の政府売渡価格が、円安や燃油価格の上昇で輸入にかかる海上運賃アップなどを受けて、直近6カ月の価格より4.6%上昇したのに連動する措置。また、日本製粉 も同様に、7月1日出荷分から家庭用小麦粉(強力粉)を約3.5%の値上げを実施する。
(2)携帯電話ユニバーサルサービス料
携帯電話の明細に記載されているユニバーサルサービス料金。携帯利用者の中には、意識せずに毎月支払っているケースもあるが、公衆電話や緊急通報のサービスを維持するのに必要な費用の一部を通信事業者全体で、電話番号の数に応じて負担する料金だ。NTTドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話大手各社は、携帯電話番号あたり月額2円から、3円に値上げとなる。たかが1円と捉えることもできるが、値上げ幅でみれば50%の上昇となる。
(3)ガス料金
夏本番を迎える7月は、お風呂で汗ばんだ体をさっぱりさせたいところだが、ガス料金の値上げに注意が必要だ。
液化天然ガス(LNG)などの輸入価格上昇を受けて都市ガス全4社が値上げに踏み切る。上昇幅が最も大きいのが東邦ガス で、標準的な家庭モデルの使用量は5712円と、前月比で17円アップとなる。東京ガス 、大阪ガス は、ともに前月比16円の値上げ。最も値上げ幅が低い西部ガス は同12円の価格上昇となる。
(4)電気料金
石油や石炭の輸入価格の下落を受けて、電力大手のうち関西電力 、北陸電力 、北海道電力 などは、電気料金を値下げる一方、LNGの輸入価格上昇により、ガス火力発電の比率が高い電力会社は料金を値上げする。
中部電力 は、平均モデルの家庭で、6390円となり前月から13円アップし、東京電力ホールディングス 傘下の東京電力エナジーパートナーは7月の料金は6661円と前月から5円の値上げとなる見込で、電力各社で明暗の別れる夏となりそうだ。
(5)春秋航空 支払手数料
夏のレジャーシーズンに、消費者の強い味方となる格安航空会社(LCC)だが、このうち春秋航空が国内線・国際線の料金を支払う際の手数料を、7月1日予約分から見直し、これまでの430円から550円に値上げする。クレジットカード会社、コンビニなどの決済代行会社の手数料値上げを受けた措置という。
(6)鉛蓄電池
自動車のバッテリーとして用いられる鉛蓄電池にも値上げの波が押し寄せる。古河電池 は、円安の影響から、主原料となる鉛の調達価格の高騰が続き、生産効率化やコストダウンなどの企業努力では吸収できないとして、7月1日から出荷する市販向けの自動車用の鉛蓄電池を10%-15%値上げに踏み切る。
この動きは業界全体に広がり、ドイツの自動車部品メーカーのボッシュも、日本国内で7月3日から出荷する補修用鉛蓄電池の全機種の価格を10%以上引き上げる予定だ。