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2013年も終わり、新しい年へとなりましたね。2013年は急激な円安、景気回復の兆しか?と騒がれていましたが、皆さんは景気の動向についてどのように考えていますか?景気回復や円安というのは過去の例では金利が上がれば景気が回復し、金利が下がれば景気が悪化するといったふうに密接に金利と景気は関係していましたが、近年の日経平均の上がりは金利とは関係なく上がったためアナリストの間では新しい動きかと騒がれていました。また、急激な円安の主な要因として米国の景気回復傾向を示す統計が十一月上旬から次々と出ていることが挙げられます。為替のテクニカルチャートにしても大きな保ち合い三角形を作っており、それが抜けたのも大きな要因だと考えられます。

【参考記事】

2014年、果たして1ドルいくらになる??アナリスト徹底比較!その2
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ドル高の流れは確実!?〜知っておきたい大きなトレンド〜


為替関係者に聞く2014年ドル・円予想

では、これからの為替の動きはどうなるのでしょうか?為替のプロの分析・調査をご紹介したいと思います。

【あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課長・諸我晃氏】

1ドル=95-112円

三角保ち合いの上抜けは112円まで続くと予想。第2次安倍政権が発足して以降に上昇を続けていたドル・円が一時急落したところでサポートされた13年3月の水準95円が下値となり、円高の起点である147円そして最安値75円の半分の位置にある112円が最大上昇余地ではないかという見解だ。今後日本の貿易赤字や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が海外資産や日本株などのリスク資産が分散投資に向かえば円安・株高の支援材料になると予想している。

【みずほ銀行国際為替部マーケット・エコノミスト・唐鎌大輔氏】

年間予想レンジ

1ドル=98円-110円

日米間の金融政策の違いや日本の貿易赤字がドル・円の上昇要因になるとして、買ってほっておけばすぐにでも110円に到達するだろうと予測している。また、2014年の4月から6月の間にあるCPI(消費者物価指数)によってピークアウトすると見ている。


為替関係者の予想を解説

為替関係者の間では110円にはとりあえずなるだろうという見解が大多数のようです。また、エコノミスト唐鎌大輔氏の予想では三角保ち合いの上抜けは4月から6月にかけてで終わり、その後一時下落するも長期的に見れば円安に向かうだろうとのことです。一時下落する要因として、三角保ち合い後は常に下落すること、長期でみた押し目、投資家の利益確定などが挙げられます。三角保ち合い前の初期上昇時には多くの予想として120円までいくだろうと言われていましたが、現在は110円と10円低い予想になっています。初期上昇では20円ほど円安となったため、テクニカル分析として今回は前回のことで慎重になり20円も値は動かないだろうといった見方です。


アナリストの予想を元にした今後の主な流れ

米国では現在 シェール革命によるエネルギー生産の拡大 が 雇用の増加 や 貿易収支の改善 につながり始めるとともに、住宅価格の反転上昇や家系の消費を支え始めています。米国は現在指標ともに好調だったといえそうです。こうした好循環が途切れることがなければ米国の景気は回復から上昇局面に変わることは確かですので、それに伴い 米国ドルへの信用が復活 するでしょう。よって ドル高円安となり、経済主要国である日本とアメリカの景気は回復の一途を辿ります 。しかし原則として米国の好循環が途切れなければということですので、今後の経済指標はしっかりと注意しておきたいところです。以下の点には特に注意が必要です。

(1)日本の経済・物価情勢のカギを握る春闘賃上げ交渉

(2)消費増税前の駆け込み需要と増税後の景気落ち込み度合い

(3)日銀の追加緩和のタイミングとその政策カード

(4)GPIF(年金積立金管理運用独立法人)のリスク資産シフト

(5)イエレンFRB議長が率いる米金融政策運営と市場との対話

(6)ECBによるユーロ圏主要銀行に対する資産査定

黒田日銀総裁は国内景気は「2%の物価安定目標の実現に向けた道筋を順調に辿っている」と政策効果に自信を示す一方で、リスクが明白となってくれば金融政策の余地がるとも述べており、追加の金融緩和対策の可能性もありえます。もしこの相場に参入の余地があるとすれば、まだ円安方向へ向かう可能性が高いので110円位を利益確定の目処としたドル買い、もしくは行き過ぎたドル買いからの利益確定での売りや押し目を狙った次の相場を狙う方法があります。2013年のドル/円は、5月4週の高値103.74円をピークに約半年間にわたる「三角保ち合い」が続いたのは明白であり、今は上抜けした相場となっています。その場合、ある程度上にいくと急激に下がります。その場を狙うことで急激に下がるので大きな値幅が取れる可能性が高いのです。また短期トレードだと円安相場ですので、ドル買いのほうが儲かる可能性は高いと言えそうです。これから為替相場に参入する方がより良いトレードをできることを祈っています。

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