アプリ市場データを提供する米App Annie(アップアニー)が公表した「マネタイズモデル調査レポート」で、世界のアプリ市場価値は2016年に1兆3000億ドルに上るが、今後更なる成長を続け、2021年には約5倍となる6兆3000億ドルにまで達すると見込まれていることが分かった。
モバイルコマース分野が爆発的な成長を続ける
iPhoneが発売されてから10年、App StoreとAndroidのアプリストアが開設されてから9年が経った。世界のアプリ市場は加速度的な成長を今なお続けている。同レポートのよると、世界のアプリ市場価値は2016年に1兆3000億ドルに上る。2021年には6兆3000億ドルに達すると見られ、5年で5倍近い成長が予想されている。
同レポートはアプリ市場の価値をマネタイズモデル別に3つに区分している。1つ目がアプリストア収益である。2016年の同収益は600億ドルを超えているが、今後も年平均18%のペースで成長を続け、2021年には1390億ドルに達する見込みである。また、現在は同収益の8割をゲームが占めているが、今後は非ゲーム系アプリの収益も拡大していくと見られる。
2つ目はアプリ内広告である。こちらは2016年の720億ドルから2021年には2010億ドルの市場規模になると予測されている。年平均の成長率は23%に達する。南北アメリカやアジア圏を中心に広告の成長は続いていくと見られる。また、広告精度や効果測定技術の向上も成長に寄与する。
3つ目はアプリを利用した電子商取引を指すモバイルコマースである。同分野がアプリ市場の成長を大きくけん引しており、2016年の同分野の支出額は1兆1800億ドルとなっている。2021年には6兆ドルを突破し、年平均成長率は38%にも上ると見られる。経済活動がモバイルに移行している事の表れであり、現在32%となっている世界の商取引のモバイル化率は、2021年には40%強にまで達する見込みである。モバイル経済の発達が進むアジア太平洋地域では2021年のモバイル化率は42%に迫る。
このようにアプリ市場のマネタイズ化は3つの分野に分けられて、それぞれが成長を続けている。更に、アプリの利用自体も、まだ大きな成長余地を残している。アプリの総利用時間は2016年の1.6兆時間から2021年には3.5兆時間にまで増大する。