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今回は「為替はどうして動くのだろう」というテーマでお話をしていきたいと思います。簡単に言ってしまうと為替の変動は二国間の「国力」とでも言うべきものによって起こります。つまり、強い国の通貨が買われ、弱い国の通貨が売られるわけです。 今にも破綻しそうなB国という国があるとします。 そのB国の通貨が欲しいですか?いらないですよね。 明日にも紙切れになってしまいそうな通貨なんて、とっとと売ってしまいたいはずです。 これは極端な話ですが、やはり持つからには強い国の通貨がいいはずです。

では、どこの国が一番強いのでしょう。それは一義的には決定できません。様々な要素が絡み合い、またそれを見ている多くの人たちの思惑にも左右されてくるからです。そして、実際に為替は、その国の経済や政治、政策など様々な要因を受けて変化していくこととなります。以下で、その要素をひとつひとつ見ていきましょう。


景気の良し悪しが為替を決める

景気のいい国の通貨価値はあがります。景気がいいということはどういうことでしょうか。まず企業活動が盛んということが挙げられます。会社が元気だと、当然株価が上がります。株価が上昇するということは、その株の値上がり益目当てで外貨が沢山入ってくるということです。つまり、その国の通貨の人気があがります。

また、生産活動が活発になると輸出も増えます。輸出が増えるとどうなるのでしょうか。輸出会社が輸出によって得た外貨を国内通貨に換えようとするでしょう。よって、輸出が増えることによっても、通貨価値は上昇します。このように景気の良し悪しによって為替は変動します。


お金は低いところより高いところがお好き

お金は金利が高いところに集まってきます。預金にしろ、債券にしろ、金利が高い商品の方が魅力的ですよね。例えばですが、日本円で普通預金0.02%でオーストラリアで預金をすると1%の場合、どちらに預けたいですか?
オーストラリアですよね。その場合、円を売って、オーストラリアドルに換金しなければならないですね。金利が高い国の通貨が買われる仕組みが理解できるのではないでしょうか。


インフレになるとお金が逃げる

インフレってなんでしょうか?物の価値が上がり続けること?いいえ。違います。インフレとは貨幣価値が下がり続けることです。りんご一個100円が120円になったとき、りんごの価値が上がったのでしょうか?もちろん、その可能性もあります。不作であまり採れなかったとか、品種改良で甘みが増したとか、農薬を使わず育てられたとか・・・。そういうことは本稿では無視いたします。

りんご一個100円が120円になったとき、それはあなたの財布に入っているお金の価値が下がったのです。100円でりんご一個買う力があったのに、ある日気が付いたら、その力が目減りしてしまったのです。これがインフレです。 では、インフレが起こっている国の通貨が欲しいですか?いらないですね。 だんだん価値が目減りしていく通貨に魅力は感じないでしょうから。

すごいインフレが起こって、物価が一夜にして10倍になった。つまりは、通貨価値が10分の1になった。そんなとき、あなたの普通預金口座にある100万円は一夜にして10万円の価値しか持たなくなるわけです。そんな危険な国にお金を預けるわけにはいかないですよね。よって、インフレになりそうな国の通貨は売られ、下落圧力がかかります。


経済成長している国の通貨は上昇基調

新興国の債券や株に興味をお持ちの方も多いかと思われます。これから、どんどん成長していく国であれば、債券も株もどんどん上がっていくことが想定できますよね。もちろん、そこにはリスクも存在するわけですが。 新興国の株が欲しいと思ったとき、やはりその国の通貨に換金する必要があります。 するとその国の通貨が値上がりすることとなります。

日本の円はかつて、1ドル=360円でした。経済成長によって、現在の約1ドル=100円に近い水準まで上昇したわけです。このように経済成長していっている国の通貨価値は適正な値になるまで上昇することと考えられます。


要人発言にご用心

2013年7月10日米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はインフレ率と失業率対策が必要との趣旨の発言を行いました。
そして、それを受けてドル売りが誘発されました。

このように政治家の発言も為替相場を左右する大きな要因です。実際に何か対策が打たれたりしたわけでもなく、実体経済には何の変化もない時にでも、一人の発言によって相場は動いてしまいます。政治家などの要人が自国の経済状況について言及したときには、その影響も見なければいけません。また、最近では、ツイッターやブログの発言を解析して投資を行う人も出てきているようです。こうなってくると一般人の発言や相場観も市場を動かすものとして重みを増してきますね。


市場参加者は民間だけじゃない

政府が時折、市場に介入してきます。今、まさに日本でも行われていますね。黒田日銀総裁による大規模な金融緩和です。 今回は難しい話は抜きにして、金融緩和というのは、市場にお金を供給することだ、ということだけ理解してください。 市場にお金が増えるとどうなるのでしょうか?

貨幣価値というのは、その貨幣への需要と供給で決まるということでしたよね。つまり、市場にお金が増えると貨幣価値は下がるということになります。為替相場だけをみると、市場にお金を供給すると円安要因になるということがお分かりいただけますでしょうか。このように、一国の中央銀行が市場に介入することにより、相場が動くことがあります。


おわりに

以上見てきましたように、為替の変動要因は実に様々です。最終的には、通貨価値はその国の国力といったものに収斂していくと考えられますが、どの値が適正なのかを当てることは、金融のプロにとっても難しいことです。今回挙げた為替変動要因をもとに、どのように為替が動くのか毎日の値動きを注視してみてください。ご自身の相場観が磨かれることでしょう。

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