Facebook、Twitter、LINEなど、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が一般的に普及して久しいです。趣味のつながりや日記として利用されることも多いですが、中小企業経営に活用できる部分は大きいです。そこで、活用場面やSNSを用いた顧客開拓のコツなどをお伝えします。

(写真=chombosan/Shutterstock.com)
(写真=chombosan/Shutterstock.com)

SNSによせられる期待

中小企業がSNSを活用することの効果に期待できることは大きいです。新規顧客の獲得から既存顧客の深耕、社内の情報共有まで、影響する利害関係者は広範囲に及びます。

インターネットを利用して自社の知名度を向上させるには、SEO(検索エンジン最適化)だけでは不十分といえます。不特定多数に対してのみ発信する自社サイトと比べて、グループやコミュニティを形成し、相互の情報交換がしやすいSNSは、相手に対する訴求力が強いです。それまでアクセスがほとんどないようなサイトが、SNSにとりあげられたことによって爆発的に訪問者が増えるということは少なくないです。

一方通行ではない相互のやりとりができることで、ユーザーのニーズをくみとりやすくなるのも特筆すべき点です。商品の評価や要望など、価値の高い意見が聞くことができます。

SNSが社内でのコミュニケーションに寄与する部分も大きいです。自社で構築したイントラネットにも情報漏洩リスクの少なさなどの利点はありますが、管理者も参加者も気軽に利用できるため、多くの社員が情報共有をしやすいです。

なぜ中小企業がSNSを活用すべきか

SNS活用の効果を実感している中小企業は多いです。中小企業庁の「中小企業白書(2016年版)」には、ソーシャルメディアサービス(SNSと同等の意味で使われている)活用の効果として、中小企業へアンケートした結果が載せられています。トップ3は「社内の情報活用の活発化」(39.1%)、「営業力・販売力の向上」(30.2%)、「顧客満足度の向上・新規顧客・新市場開拓」(24.6%)の順です(複数回答)。「実施したが効果は得られなかった」は10.9%なので、9割近い中小企業が効果を実感していることになります。

商品・サービスの拡販を、インターネット以外の方法だけで行ったり、自社サイトだけにたよったりすれば、大きな人的リソースと資本を抱える大企業に勝つのは難しいです。SNSを活用すれば、分厚い参入障壁に蟻の一穴を開けられる可能性があります。影響力のある人に自社サービスのよさを伝えることができれば、そこから連鎖的に評判の広がりをみせることもあり得ます。

始めるのに初期投資がほとんどかからないのも、資本の少ない中小企業が利用しやすい理由のひとつです。

中小企業がSNSで注目を集めるコツ

具体的にSNSをどのように活用すればいいのでしょうか。

販促イベントや展示会などを開催していれば、その様子をリアルタイムに伝えることで興味をひき、集客に結びつけたり、商品開発の裏話やサービスを提供する従業員の本音などを発信して共感を得られたりすると、売り込みがしやすくなります。SNSは参加者が能動的に動く要素が大きいので、「売り込む」というよりは、興味を持ってもらうように仕向ける、といったほうが適切でしょう。

各SNSの特徴をつかむことも重要です。Facebookは実名による登録が基本であり、顧客ニーズを分析しやすいです。たくさんの「いいね!」を得られることはひとつのステータスと認知されています。リアルタイムに情報を発信するなら、短文専門で双方向性も高いTwitterがよいでしょう。Instagramは写真の共有に広く使われており、旅行やイベントの企画、デザイン性の高い商品などを広めるのに有効です。

積極的なSNS活用を

SNSは新しいファンを獲得すること、既存顧客とのつながりを強めること、社内コミュケーションなど幅広く活躍できる場面があります。SNS活用を実施した中小企業の多くが効果を認めている点からも、おすすめできる施策の一つです。SNSの強みは、すぐに情報を発信でき、顧客と双方向のやりとりができることです。大企業に従業員数や余裕資金で劣る中小企業にとっても参入は難しくなく、うまく行けば一気に自社の商品やサービスを広めることができます。そのため、積極的にSNSを活用していきたいところです。(提供:ビジネスサポーターズオンライン)

※当記事は2017年6月現在の情報に基づき制作しております。最新の情報は各関連ホームページなどをご参照下さい。