厚生労働省が2017年5月30日に発表した有効求人倍率は、1.48倍でした。

この数字はバブル期に匹敵する高水準であり、求人において売り手市場、すなわち人材不足をあらわしているともいえます。そのような状況の中でいい人材を継続的に確保し、安定した経営基盤を長期的に形成していくためには、社員満足度が非常に重要であり、着目すべき課題となっています。

社員満足度とは <社員満足度の向上がもたらす利益>

(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)
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社員満足度(ES)とは「従業員満足度」とも呼ばれ、社員自身が実際に働いている企業において感じる満足度のことです。企業の成長のためには、社員一人ひとりのやる気や力が必要不可欠です。働きやすさや働きがいがある企業であるほど、その力は高まる傾向にあるといえるでしょう。

社員満足度と対比されるのが顧客満足度(CS)ですが、経営者は企業の今後の成長を考えるあまり、顧客満足度ばかりに目を向けてしまいがちです。しかし、求人において売り手市場である今、社員満足度を重要視すべき時がきているのではないでしょうか。

社員満足度の向上は、離職率の低下や生産性向上といったメリットはもちろんのこと、経営側と社員側との強固な信頼関係を再構築するためにも非常に重要です。社員満足度が低いということは、単純にいえば企業に対する不信や不満のあらわれです。社員満足度を高めることにより、信頼関係がより強固なものになり、結果として企業において最大の利益をもたらすことにつながります。

現在では働きやすくて働きがいのある組織、社員満足度が高い企業を目指すためにも、社員満足度調査(ES調査)を推進する動きが徐々に浸透してきています。

自社の社員満足度を評価するポイント3つ

社員満足度を評価するにはさまざまなポイントがありますが、ここでは大きく3つに分けて紹介します。

一つめは、仕事内容に関することです。仕事における自身の成長や将来のキャリア展望はできるか、チャレンジや改善姿勢がとれるか、仕事量のコントロールや仕事のストレスに対して適切な対応があるかなどが主な評価ポイントです。

二つめは、人間関係に関することです。社員が相互信頼し切磋琢磨できるか、上司と部下とのコミュニケーションは円滑で適切に評価できているか、組織間でうまく連携できているかなどが主な評価ポイントです。

三つめは、企業の経営や制度に関することです。信頼のおける経営理念のもとで適切な情報開示が行われているか、企業の姿勢や風土は確かなものか、コンプライアンスは遵守されているか、適切な人事評価や教育・研修制度が整っているかなどが主な評価ポイントです。

これらの細かなポイントを総合することで、それぞれの社員の企業に対する満足度がわかる仕組みになっています。

社員満足度が高い企業の特徴

社員満足度が高い企業は往々にして、コミュニケーションが円滑であり、全体的に風通しがいい風土が根づいている傾向があるといえます。

また、社員が企業・経営者・自分以外の社員に対して大きな信頼感を持っており、自分自身の将来のビジョンもしっかり持つことができるような環境であることも特徴としてあげられます。

気持ちよく働ける環境であることはもちろんのこと、信頼・尊敬できるような魅力あふれる人が集まっている企業であることが重要です。

自身が所属している会社に対して誇りを持つことが、働きがいや満足感につながる可能性が高いでしょう。経営者が社員を大切にしている企業ほど、社員が企業を大切にして離職率も低く、仕事に対してのモチベーションを高く保てる傾向があります。い

社員満足度について再考を

社員満足度が高ければ、相乗効果で利益アップにもつながります。また、いい人材も自然と集まり企業の繁栄が確かなものとなります。

今後の安定した企業経営のためにも、今一度社員満足度について目を向けてみる必要性があるでしょう。

(提供: フクリ!

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