病気やケガに備えて医療保険を活用するケースは多いが、よその家庭が一体どれくらの医療保険料を支払っているのか気になるところだろう。総務省の家計調査(2016年)によると、2人以上の世帯における医療保険料の全国平均は2万766円だった。

様々な保険を利用してリスクに備える日本人だが、地域別にみると、支払う医療保険料には大きな差が見られた。家計調査をもとにして、県庁所在地の医療保険料の支払い額をランキング形式でチェックする。

トップは大分市 トップ10の半数は九州勢

医療保険
(写真=PIXTA)

県庁所在地別(東京都区部を含む)の医療保険料の項目でトップとなったのは大分市で、その額は3万7712円と全国平均を1.8倍以上も上回る結果となった。2位には、同じく九州の宮崎市が3万2485円で続いたが、トップの大分市とは5000円以上の開きがあった。3位には宇都宮市が3万1008円、4位は札幌市の3万618円、5位は福岡市の3万476円となり、トップ5の中に九州の県庁所在地が3つもランク入りした。さらにトップ10内には、7位に鹿児島市(3万118円)、9位に熊本市(2万8942円)の2市がランク入りし、九州勢がトップ10のうち半数を占める結果となった。

大分市の医療保険料が他の市より高い理由を紐解くために、厚生労働省の地域保健医療基礎統計(2008)に着目してみよう。この統計は都道府県ベースとなっているが、最大の人口を抱えるケースが多い県庁所在地の状況を把握するのにも有効だろう。人口10万人あたりのがん患者の入院受療率では、大分県は全国で3番目に高い156人となっている。医療保険料で4位だった札幌市を抱える北海道は大分県に次ぐ154人で4番目だ。このがん患者の入院受療率の全国平均は10万人あたり111人となっており、大分県の水準は全国平均比で1.5倍近い。また、糖尿病による入院受療率についても、大分県は人口10万人あたり35人と全国で4番目に高い結果となった。こうした病気への罹患率の高さが医療保険の支払額に比例している可能性が考えられる。

医療保険料が最も少ないのは長崎市