7月24~28日の東京株式市場はもみあいとなった。
日銀の金融政策決定会合、ECB(欧州中央銀行)理事会、米FOMC(連邦公開市場委員会)を通過し、足元では企業決算等を手掛かりとした個別物色が中心となっている。

日経平均株価は2万円を挟んで方向感の定まらない展開が続いているが、これから夏休みが本格化する中で様子見気分を一段と強める可能性もある。

東証マザーズ「週間出来高」ランキング

それでは今回は、東証マザーズ市場の「週間出来高」上位10社の顔ぶれをみていこう。

(1)アンジェス <4563> 8967万2800株
(2)ジーエヌアイグループ <2160> 2601万9000株
(3)リミックスポイント <3825> 2240万9800株
(4)プレシジョン・システム・サイエンス <7707> 1603万8600株
(5)ドリコム <3793> 1083万5800株
(6)サイバーステップ <3810> 1018万9500株
(7)メディネット <2370> 1015万1600株
(8)パス <3840> 1010万2500株
(9)ASJ <2351> 916万8600株
(10)ユナイテッド <2497> 901万8900株
※銘柄、証券コード、出来高。データはヤフーファイナンスに基づく。7月24~28日。

東証マザーズ指数は6月下旬に1200の大台を超え年初来高値を更新した。ただ、その後は上値が重く、伸び悩んでいる。業種別でみると、情報・通信業が5銘柄と半数を占めた。その他は医薬品とサービスが各2銘柄、精密機器が1銘柄だった。

アンジェス、豪州の高血圧ワクチン臨床試験届け出で人気化

今回は上記ランキングからアンジェス、リミックスポイント、サイバーステップを取り上げたい。

アンジェス(※7月にアンジェスMGから社名変更)は大阪府茨木市に本社を置く創薬ベンチャー。遺伝子治療薬を開発している。

7月20日、同社はオーストラリアで高血圧DNAワクチンの臨床試験を届け出たことを明らかにした。株式市場ではこれを材料視した買いを呼んで出来高が増加した。

現在販売されている経口高血圧治療薬が毎日服用する必要があるのに対し、アンジェスが開発するDNAワクチンは一度投与すると効果が持続するため、高齢者を中心にメリットが大きいという。

なお、アンジェスは、この件が2017年12月期の業績に与える影響はないとしている。

リミックスポイント、ビットコイン分岐騒動で上値重い

リミックスポイントは中古車査定システムなどを展開するソフトウエア会社。傘下に仮想通貨取引を手がけるビットポイントジャパンがあり、株式市場では5月に「ビットコイン関連株」として人気を集めた経緯がある。

ビットコインをめぐっては7月に分裂騒動が起きた。取引量の急増による送金遅延の解決策をめぐり、規格作りで対立が生じた。ビットコイン取引の信用低下の恐れから、ビットコイン関連株であるリミックスポイントも値下がりした。

リミックスポイント株は6月半ばにつけた高値1820円から、7月半ばにはいったん1000円付近まで値下がりした。その後分裂はいったん回避されたため、小幅ながら値を戻している。

なお、リミックスポイントは8月1日付で東証2部に市場を変更する。

サイバーステップ、大幅減益予想受け失望売り

サイバーステップはオンラインゲーム大手。タイトル数の拡大と海外展開の強化を進めている。

前期はテレビCM、オンライン広告の投入により増収と黒字化を達成した。そうした中、今年6月には「オンラインクレーンゲーム・トレバ」の好調が手掛かりとなり、株価も急騰した。しかし、7月14日に2018年5月期の連結営業利益で1億円(前期比73.1%減)の大幅減益予想が示されると、失望売りに急落。出来高も大きく膨らみ、今回のランキングで6位となった。(ZUU online 編集部)

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