子育てに関する行政手続きがワンストップでできたり、行政からのお知らせが自動的に届いたりする政府運営のオンラインサービス「マイナポータル」。マイナンバー関連の情報確認ができる個人用サイトだが、当初2017年1月から本格運用開始され、行政手続きができるようになるはずだった。しかし開始は2度延期され、10月からとなっている。
日経などの報道によると、自治体から「窓口での混乱を防ぐため時間が欲しい」との声が寄せられたことなどが理由だという。このマイナポータルでは何ができるようになるのだろうか。
電子申告(e-tax)との連携
税務申告においては書面で作成し、税務署等に提出するのが従来からのスタイルである。電子申告(e-tax)は、オンラインで提出まで完結する国税の申告システムであり、2004年6月には開始された。
2016年より開始されたマイナンバー制度により、日本に住民票がある国民1人1人にマイナンバーが割り振られた。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に申請して写真つきマイナンバーカードを取得していれば、マイナポータルからオンラインで行政手続きや情報参照ができるようになる。
2017年1月16日にはマイナポータルのサイトからe-taxにアクセスでき、電子申告ができるようになった。
ただe-taxはインターネット接続できるパソコンだけではできず、電子証明書つきの住民基本台帳カードとカードリーダが必要であり、申告前の初期設定も求められる。マイナンバーカードにも電子証明書を搭載することができ、e-taxに利用できる。
マイナポータルとe-tax、両者に共通して電子証明書は必要となる。e-taxにはID(利用者識別番号)・パスワードがあるが、マイナポータルからe-taxにアクセスすると、e-taxのID・パスワードを入力せずログインできる。
一応の連携は開始したが、マイナポータルならではの情報連携という点では大きなメリットは感じられない段階である。確定申告の時期に差し掛かるからとりあえずe-taxと連携したという話だろう。