「お盆玉」という言葉を聞いた事があるだろうか。お盆の時期に子や孫にあげるお小遣いの事を指す言葉だが、近年その習慣が徐々に広がってきているようである。あおぞら銀行 <8304> の調査によると、シニア世代への浸透率は約3割となっており、浸透率は前年から上昇している。これからお盆の時期に入るにあたり、子や孫に贈る事を考えてみてはいかがだろうか。
山形県の風習が全国へ 郵便局でも買える「お盆玉袋」
「お盆玉」という習慣は比較的最近注目を浴びるようになった。あおぞら銀行は55~74歳のシニア世代を対象にした「シニアのリアル調査(2017)」を発表しているが、「お盆玉」という言葉を知っている人の比率は28.9%となっている。浸透率は全体の3割程度に留まるものの、前年の16.6%からは10ポイント以上上昇しており、徐々に広がりを見せているとも言える。
「お盆玉」の起源は山形県の一部地域で行われた「お盆小遣い」という風習が元になっている。江戸時代に奉公人に「お盆小遣い」と称して、物を贈る風習が、子や孫にお小遣いをあげる習慣に変わったものである。「お盆玉」という言葉自体は最近作られたものである。山形県に本社を置く和洋紙製造・販売のマルアイという会社が作った造語であり、同社により商標登録されている。
マルアイは2010年から夏の風物詩をデザインしたポチ袋を販売しており、2014年には日本郵便も全国の郵便局で「お盆玉袋」の販売を開始している。今では大手の雑貨店等でも見かけられるようになり、言葉の浸透に比例して、習慣も浸透しつつあるようだ。あおぞら銀行によると、「お盆玉」をあげた事のあるシニアは7.5%である。「お盆玉」という言葉を知らないが、お盆の時期にお小遣いをあげた事がある6.3%と合わせると、13.8%のシニアが「お盆玉」をあげた経験があるという。