みずほ銀行が丸紅、東京建物と共同で、国立大学学生寮を投資対象とするファンドを設立する計画を進めている。外国人留学生は年々増加傾向にあり、政府も受け入れ増を目指している。邦人大学生も例外ではなく、学生寮の整備拡大が望まれ、不動産投資対象として新たな需要拡大につながる可能性を期待が期待されている。

ファンドは国立大学から土地を借りて建物を建設し、運営は専門の管理会社に委託する。2017年4月から国公立大学の法人法が改正され、第三者に不動産を貸し付けることが可能になったことから、ファンド設立の追い風が吹いた。

2020年までに運用開始、運用リターン5%余り見込む

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(写真=TK Kurikawa/Shutterstock.com)

ブルームバーグによると、みずほ銀行は2020年3月期までに100億円の出資金を集めたいという。ローンも合わせて200億円程度の学生寮を整備して、運用を目指す。出資はみずほ銀行が15%、残りは丸紅、東京建物と共同出資する計画。すでに国立大学約50行に提案、10校ほどと話し合いを進めている。

大学は地代を得るとともに、ファンドから学生寮を一括で借りて学生に転貸する仕組み。ファンドは大学から賃料収入を得ることができ、運用リターンは5%余り。みずほフィナンシャルグループの資料によると、17年度第1四半期の国内預貸金利回差は0.87%にとどまっている。

文部科学省によると、日本への外国人留学生数は約24万人(2016年5月現在)と、前年比約15%増加した。その内、約9万8000人は中国からの留学生。ところが留学生用宿舎の入居者数は約5万人弱にとどまっている。政府は30年をめどに30万人の留学生受け入れを目指しており、需要増が見込まれ、宿舎整備が急務になっている 。

運用数年後に私募リート募集予定

みずほ銀行は学生寮ファンド運用開始から5年程度で、私募リート(不動産投資信託、REIT)募集を検討している。

同行の当初計画によると、18年度中に国公立大学の敷地に1棟目を建て、その後、私立大学を含め国内7、8拠点での開発を進めていく考えだった。1拠点当たりの収容人数は300人程度。建物のメンテナンスや食事の提供、共有ラウンジや学習スペースなどを含めて、留学生の生活サポートに加え、航空券の手配や出入国の手続きなどコンシェルジュを配して、幅広いサービスを提供する。学生寮には最低限必要な家電を完備する。家賃は相場より安めに設定するが、富裕層の寄宿生も視野に入れて、家賃、仕様設定や収益性を加味しながら企画する。

計画策定上、参考になるのが学生寮ファンドで経験豊富な英国である。英国の学生寮はすでにアセットクラス(資産)と評価されている。留学生シェアは世界第2位で、米国に次いで50万人を超えている。学生寮ファンドが広く普及して、有名大学が所在する都市では、平均10%の利回りは当たり前という 。さて日本では、この種のファンドが定着するかどうか?(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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