朝、メールを開いてみると、未読メールがズラリ。この光景を目の当たりにして、うんざりした経験があなたにもないだろうか。処理しても処理しても、終わりのないメール対応。下手をすると「午前中はメール処理だけで終わっている」という人もいるのではないだろうか。

こうなってくると、「何とか一刻も早くメールを処理する方法はないものか?」といったことを考える人も多いだろう。最近は、本屋などで「メール術」といった言葉をしばしば見かける。中には「メール処理の仕方からその人の仕事ぶりまでわかる」と言う人もいるが、実際のところはどうなのだろうか。

多くの人は処理しきれないメールを前に「敗北感を感じている」

メール術
(写真=PIXTA)

僭越ながら、この趣旨の執筆依頼が私に来たということは、上記のイメージに照らせば、筆者のメールボックスはいつも「未読メールなど1件もない」状態でなければいけないかもしれない。だが実のところ、筆者はここ数年以上にわたり、未読メールがゼロになるまでの処理を行なった試しがない。

おそらく世の中には、未読メールが処理しきれないことに対して後ろめたさを感じている人や、重荷に思っている人もいるのではないだろうか。その思い込みを払拭していただくためにも、ここで筆者なりのメール術を公開してみようと思う。

メール対応はそもそも時間が掛かるもの

「メール処理」と一口に言っても実際は、

  1. メールを開封する
  2. 中身を確認する(内容を読む)
  3. 重要度を判断する
  4. 対処法を考える
  5. それに応じた返信なり指示出しなどを行う

といった5つの段階を経ている。

仮にこれを、毎日何百通とくるすべてのメールに対して行なっているのであれば、時間がなくなるのは当然である。いつまで経っても仕事は終わらない。そこで多くの人は、対策として「送信者を見て、開封するかどうかを判断する」とか「件名で識別する」といったメール術を使い、何とか少しでも早く処理しようと努力を重ねる。しかし、これでは根本的な解決に至ることはあまりない。

それに対して、筆者のメール術とは「極力、処理をしない」ことを基本としている。だから方法と言っても、「メールを受け取ったら、そのまま日付順にメールボックスの中に入れておく」だけのことである。

そもそも、未読メールボックスを空にしなければいけない理由などない。それはただ単に、「空にしなければ気が済まない」心理が働いているだけのことである。一方、筆者のメール術の秘訣を一言で言うと「割り切ること」だ。それは結局のところ、「未読メールボックスを処理してスッキリする」のと「自分の時間」を秤にかけた場合、どちらがより大事なのか? ということである。

メール術のキモは「受信する相手を絞る」こと

もちろん筆者も毎日メールの処理は行なっている。だが作業の中心は、届いたメールに対処することではなく、「まずは不要なメールがこないようにする」ことにある。だから、スパムメールなどの一方的に送りつけられるメールは即、「迷惑メール」設定にし、読まないメールマガジンなどは解約する。

筆者は会社経営をする立場のため部下からの報告も多く上がってくるが、これらはメールでの対応はせずにチャット機能のある別のツールを使うようにしている。このようにして、まずはメールボックスに溜まるメール自体が少なくなるような努力をする。

その上で、メールの有料ストレージ機能を使い、届いたメールはいちいち振り分けずに、そのまま受けっぱなしにする。こうしておけば、基本的には必要な相手からのメールしかこないので、それに対する返信が必要な場合は、検索機能を使って検索し、対処するだけでいい。

しかしそうなると、「重要な相手からのメールかどうかを、いつ判断すればいいのか?」という疑問が起こってくるだろう。それは「初めてメールがきた時」である。初めてきたメールに対しては時間を割いて、「以後もお付き合いする相手かどうか?」「今後のやりとりもメールを使うべきか?」といったことを考え、それに応じた対処をする。後々、「このメールを開封するかどうか?」と悩まないようにするためには、最初が肝心なのである。初回でいけてないメールを送信してくる人は、以後もそれが続く可能性は高い。

物理的な限界を超えたインターネットの世界

筆者の個人的な見解をお伝えすると、「メールボックスが空である」ことと、「思考がクリアで判断基準も明確である」ことは、必ずしもイコールだとは言えない。むしろ、そうした画一的な基準でものごとを見極めようとすることに対する意識改革こそ必要なのではないだろうか。

現実世界では、どうしても受け入れるキャパには限度があるため、整理整頓が必須となる。一例を挙げると、筆者はその昔、購入した書籍の置き場所に困り、持っていた本をすべてPDF化したことがある。現在、電子書籍が増えているのも同じ理由からだ。情報の分野においては、ストレージなどを上手く活用することによって、すでに理論上では整理整頓をしなくてもいい世界が到来しているのである。

俣野成敏(またの なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)や『一流の人はなぜそこまで◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に10万部超のベストセラーに。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、「お金・時間・場所」に自由なサラリーマンの育成にも力を注ぐ。

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)