昨日の海外時間には、主に対欧州通貨でドルの買戻しが強まる中、米長期金利が上昇したことや北朝鮮リスクがやや遠のいたことで円も売られました。

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

欧州時間、上下しながらも米長期金利が堅調に推移したことから特に対ユーロでドル買いが強まって、ユーロドルは1.1790台から1.1740台まで、ユーロ円は129.00円台から128.30円台まで下落しました。この間ドル円は一時109.40円台まで買われましたが、109.20円台まで反落しています。その後米長期金利が再び上昇すると今度は円売りが優勢となって、ドル円は109.40円台まで、ユーロ円は128.70円台まで上昇しました。

NY時間にはいると、一旦米長期金利が反落して円買いが強まって、ドル円は109.10円台までユーロ円は128.40円台まで下落しましたが、すぐに米長期金利が再び上昇を始めたことから円も売り戻され、ドル円は109.50円台まで、ユーロ円は128.70円台まで上昇しました。

NY時間午後にはいっても米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円は109.60円台まで、ユーロ円は128.90円付近まで上昇しました。NY時間終盤にはティラーソン米国務長官が北朝鮮について「近い将来の一定の対話への道筋が見えてきたのかもしれない」「北朝鮮は、これまでにないほどの自制を見せている」などと述べたこともリスク回避の後退で円売りを後押ししました。

東京時間にはいってからは、日経平均と米長期金利が堅調に推移していることから円売りが優勢となっています。

今日の海外時間には、独/ユーロ圏・8月製造業/サービス業PMI(速報値)、米・7月新築住宅販売件数の発表と、ドラギ・ECB総裁、カプラン・米ダラス連銀総裁の講演が予定されています。

昨日引け時点でのFF金利先物による年内のFOMC追加利上げ確率は約37%でほぼ変わらず、一回目の利上げの確率が50%を超えるのは2018年6月で変わらずとなっています。(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)