今年も恒例のサマージャンボ宝くじの抽選会が8月20日、「2017神宮外苑花火大会」開催前に同会場で行われた。予定通り完売していれば延べ105人の億万長者が誕生している。1等5億円と前後賞で7億円の高額当選者も20人近く出ただろう。宝くじを金融商品として分析してみた。

宝くじの平均リターンは47%

サマージャンボ,宝クジ
(写真=PIXTA)

宝くじは販売額から賞品や経費を控除後した約40%が収益金として発売元の全国都道府県や20の指定都市の公共事業等に使われることが法律で決まっている。経費には、みずほ銀行の販売手数料や広告宣伝費なども含まれている。

15年度の実績では、宝くじの売り上げが9154億円、賞金として払い戻した額が4303億円。払い戻しのリターン率は47.0%だった。経費は1098億円で売り上げの12.0%、社会貢献広報費が114億円で1.2%、収益金は3639億円で39.8%。収益金が公共事業に投じられる。

今年のサマージャンボでは、予定では2000万枚600億円を販売予定していた。1等の5億円が20本、1等の前後賞の1億円が40本など賞金総額は約288億円。そのリターン率は約48%。仮に600億円の宝くじを全部買い占めると288億円しか戻ってこない。ジャンボ宝くじは1枚300円だから、1枚買うと期待収益は141円。1枚買えば確率的には159円の損失になる計算だ。

宝くじ市場は18年ぶりの8000億円割れ