エンターテインメント大手企業グループのバンダイナムコホールディングス <7832> が、海外アニメ配信事業から撤退すると報じた日本経済新聞の報道について、その事実を文書で否定した。「海外での事業拡大を積極的に推進しており、海外に向けて日本のアニメ文化を発信していきたいという方向性に変更はありません」としている。

同社はまた、子会社のアニメコンソーシアム(ACJ)が海外向けに行っている配信事業は終了することは認めたが、その他グループ各社の配信は今後も継続・強化すると述べている。また今年4月からの次期中期計画に向けて、グループ内の複数の配信機能をより効果的に相乗効果のある方向で検討中であることを明らかにした。日経の報道に事実誤認あるいは誇張があったのかどうか、真偽は現段階では明らかではない。

ACJの海外配信廃止をグループ全体の事業撤退と分析報道

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(画像=バンダイナムコHD Webサイトより)

バンダイナムコHDは8月初め、100%子会社のACJが運営するアニメ配信サイト「DAISUKI.net」とスマホ向けアプリサイトのサービスを10月31日に終了すると告知した。DAISUKIは、人気アニメ「ドラゴンボール超」や「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」などの英語版を191の国と地域に配信している。

日経はこの事実報道と関連して、見出しで「バンダイナムコ 海外のアニメ配信から撤退」と報じたことで、バンダイナムコHD側が反論したわけだ。日経はさらに「動画配信市場で米国勢との激しい競争に生き残れなかった」「ACJは会員が少ないからコンテンツが集まらない、いいコンテンツがないから会員が増えないという負のスパイラルに陥ったようだ」などとその背景を分析した。

ACJは2014年にバンダムとアサツー ディ・ケイ、アニプレックスが共同で設立。その後、クールジャパン機構や講談社など15社が出資した。しかし、計画通りに有料会員を獲得できなかったため、苦戦が続いていた。バンダム今年3月、出資者の株式を約20億円で買い取り、完全子会社化していた。

バンダイナムコの決算は好調

投資家や消費者の反応は別だ。バンダイナムコHDの株式は、海外アニメ配信事業から撤退と報じられて、むしろ採算改善に期待して続伸した。同グループは2015年4月からの3カ年中期計画で、売上高5000億円、営業利益500億円を安定的に達成する事業基盤の構築を目指している。IP(知的財産)軸戦略を進めるとともに、海外の基盤づくりを重視している。

グループは「NEXT STAGE 挑戦・成長・進化」を柱に、今年からの次期中期計画ではビジョンに基づき新たな成長・挑戦をめざしている。ACJの海外配信停止は、組織再編を含む戦略の一環として理解するのが妥当かもしれない。17年3月期決算は、売上高が約6200億円(前期比7.7%増)、営業利益約632億円(前期比27.4%増)、純利益約441億円(前期比27.7%増)と好調だ。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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