日本人は非常に貯蓄が好きな民族だと言われている。現に1世帯あたりの貯蓄残高は1820万円にも及ぶ(平成28年家計調査報告)。そんなこともあり、保険でも貯蓄型保険は大人気だ。しかし、貯蓄型の保険は本当に有利なのだろうか。

貯蓄型保険の種類と特徴

貯蓄型保険,メリット,デメリット
(写真=PIXTA)

貯蓄型保険とは、保険でありながら貯蓄性もあるもので、一定の期日や解約により一定の金額を受け取れるものをいう。

主な貯蓄型保険としては、終身保険、養老保険、こども保険、個人年金保険などがある。保険の話をすると多くの人は、「掛け捨ての保険は損をするから嫌だ」と言われることが多い。他方「この保険は掛け捨てではなく掛けた分は戻ります」と説明すると非常に興味を示す人が多い。

しかし、厳密にいうと掛け捨て部分のない貯蓄型保険などというものは存在しない。保険会社が扱う商品である以上、保険の要素は必ずあり、保険料の一部は掛け捨ての保険に充てられているからだ。ただ、長期間の運用によって、掛け捨ての保険料を上回る運用収益によって、結果的に掛金より多くの解約返戻金が戻るにすぎない。

主な貯蓄型保険商品の特徴について簡単に説明していこう。

【終身保険】

一定額の保障が一生涯続く保険だ。加入してすぐに解約すると損をするが、払込満了時以降に解約すれば、掛金以上の解約返戻金が得られる。

【養老保険】

たとえば、満期まで一定額の保障があり、満期になると保障額と同額の満期保険金が支払われるというものだ。満期保険金の額は掛金総額よりも多いので貯蓄型の保険とされる。

【こども保険】

こどもの就学時期に合わせて一時金が支払われるというものだ。こちらも、掛金総額以上の一時金を受け取ることができる。

【個人年金保険】

たとえば60歳まで掛金を支払い、60歳以降は年金を受け取るとういうものだ。こちらも掛金総額以上の年金を受け取ることができる。

これだけ見ると、貯蓄型保険はいいものばかりのように見えるかもしれないが、メリットだけではなく、デメリットもあるので、加入する際は慎重に考えなければならない。

貯蓄型保険のメリット

1. 保障がついている

定期預金や投資信託など貯蓄性のある金融商品はたくさんあるが、一般的な金融商品は積み立てている途中で万が一死亡した場合、遺族は積み立てた額とその運用益しか得られない。それに対し、貯蓄型保険であれば、極端な話1か月でも保険料を支払っていれば、仮に保険金額が500万円なら、500万円を遺族は受け取ることができる。

2. 税制優遇を受けられる

NISAなどでは運用益については一定額までは非課税になるが、所得が控除されるということはない。それに対し、貯蓄型保険の場合には所得控除の1つである「生命保険料控除」または「個人年金保険料控除」が受けられる。

3. 受け取れる額が確定している

投資信託などの場合、運用によっては損をすることもあるが、貯蓄型保険の場合には、仮に保険会社が運用を失敗したとしても約定どおりの保険金や解約返戻金が支払われる。

4. 貯蓄が苦手な人でも挫折しない

一般的な金融商品は、自由度が高い分貯蓄をするのが難しい。それに対し、貯蓄型保険は、毎月口座から引き落とされ、途中解約すると損をするため、貯蓄がしやすい。

貯蓄型保険のデメリット

1. 保険料が高い

保険として考えると貯蓄型保険は保険料が高い。仮に同じ500万円の保障としたときに、掛け捨て型の保険ならば1300円程度(10年定期、男性30歳)で加入できるが、貯蓄型の保険では1万1000円程度(終身保険60歳払込満了、男性30歳)もする。

2. 早期に解約すると損をする

満期前に解約すると、掛金よりも少ない金額しか戻ってこない可能性が高い。つまり、早期に途中解約すると元本割れする。その結果、事実上解約が制限され、お金が必要な時に引き出すことができない。

3. インフレリスクがある

貯蓄型保険に限らず預貯金などもそうだが、インフレになった場合に実質的資産額が減ってしまう。特に貯蓄型保険は長期契約で途中解約すると損をするので、よりリスクが高い。

4. 金利上昇リスクがある

貯蓄型保険は、契約時点で利率が固定されるため、低金利の時に加入しその後金利が上がった場合、結果的に損をする可能性がある。

貯蓄型保険に加入する際のポイント

貯蓄型保険に加入する場合には、基本的に途中解約はしないという前提で選ぶ必要がある。毎月の負担が重いため途中解約となると損をしてしまうので、無理のない金額で加入することが重要だ。

また、貯蓄型保険に加入する主たる目的が「保険」であるならば期間はあまり気にする必要はないが、「貯蓄」を主たる目的する場合には、インフレリスクや金利上昇リスクがあるので、あまり長期間の保険には加入しないようにすべきである。

貯蓄型保険には、「学資保険」のように保障を受けつつ、必要な時期に給付金が受けられるなど、有用な商品もある。しかし、貯蓄型保険の保険期間は長期間のものが多く、現在の低金利を考えると資産運用目的ということならば、加入するのに良いタイミングとは決して言えないだろう。(ZUU online 編集部)