タカラバイオの株価上昇の背景
タカラバイオの株価は一時380円高(23.53%高)の1995円まで上昇するなど日足チャートでは昨年(13年)12月以来である約6カ月ぶりに200日移動平均線を上回りましたが、その理由として京都大学発のベンチャー企業であるiHeart Japanと技術移転契約を結んだことが背景にあると予想されます。
2013年にiPS細胞作製方法の特許実施許諾を取得
タカラバイオ株式会社は、2013年9月30日にiPSアカデミアジャパン株式会社と、日本企業として初めて、国立大学法人京都大学山中伸弥教授らが発明した新たなiPS細胞作製方法に関する特許実施許諾契約をで締結しました。この契約の締結によって、プラスミドベクターを用いる既存のiPS細胞作製方法よりも安全性の高い方法で、iPS細胞作製受託サービスの提供や研究用試薬の販売が可能となります。
現在は京都大学が主体となってiPS細胞に関する特許を取得していますが、民間企業がライセンス供与を受けるには京都大学のライセンス管理会社であるiPSアカデミアジャパンを経由する必要があります。タカラバイオはそのiPSアカデミアジャパンとライセンス契約を結んでいるのが上場企業では唯一の企業なのです。
このほかにも非上場企業ではリプロセル、ディナベック、ユニーテックなどがライセンス契約を締結しているとされていますが、iPS細胞研究には国を挙げて予算が投入される可能性が高まっていることから、タカラバイオの相場もこのままで終わることはないと予想されます。