顧客満足度と並び重要視されているのが社員満足度です。顧客満足度とは顧客側の視点に立って顧客の望むことを理解し、商品・サービスの販売拡大につなげるために必要不可欠ですが、それと同じくらい社員満足度も必要であるといわれています。
そもそも社員満足度をアップさせることは、企業にとってなぜ重要なのでしょうか。
社員満足度の向上が企業にもたらすメリット三つ
社員満足度とは、社員が勤務している企業での仕事内容や環境・人間関係などにおける満足度のことです。今や顧客満足度だけに注力しているだけでなく、社員満足度も高めていかなければ、今後の企業発展を望むことは難しいとすらいわれています。
実際に社員満足度の向上が企業にメリットは大きく三つあります。
まず一つめは、仕事の質の向上が期待できるということです。企業において実際にモノやサービスの販売に直結する仕事をしているのは一般の社員でしょう。その社員が企業に対して不満要素を抱えながら仕事をしていては、クオリティの高い仕事はおろか生産性にも影響する恐れが十分にあります。
二つめは、ヒューマンエラーの減少です。そもそも仕事のトラブルやミスというものは、人的な原因が多いといえます。ヒューマンエラーは仕事に対するモチベーションと深く関係しており、社員が仕事や企業に対して期待を持てることなく毎日疲弊した状況であれば、おのずとミスを誘発する遠因となるでしょう。
三つめは優秀な人材が他社に流出するのを防ぎ、人件費の削減にもつながるということです。社員が企業に対して満足していなければ、遅かれ早かれ新天地を求めることになるでしょう。優秀な人材ほど他社でも即戦力として認められ、好待遇で転職していく可能性も高いといえます。
社員満足度を高めることで価値ある人材を社内に留めることができ、新たな人材の採用に関わる経費削減や技術の維持発展を望むことができるでしょう。
社員満足度から始まるサービス・プロフィット・チェーンとは
サービス・プロフィット・チェーンとは、サービス・マーケティングにおける第一人者ともいえるへスケット(J.S.Heskett)、サッサー(W.E.Sasser,Jr.)らによって1994年に提唱された、従業員(社員)満足・顧客満足・業績の因果関係を示した概念のことです。
サービスとは、生産と消費が同時に行われるという特徴を持っており、その点でモノとは異なります。結果として顧客に直接関わる社員の働きが重要であり社員満足度の向上が不可欠となってきます。
サービス・プロフィット・チェーンの概念は、従業員(社員)満足の向上がサービスの質を高めて顧客満足へとつながり、最終的に企業利益(売上・収益の向上や企業自体の発展)へつながるとされています。社員満足度の向上がはじめの一歩となり、顧客満足向上から企業の業績アップへと一連の流れを循環させていくことが可能となるため、まずは社員満足度を向上させることが非常に重要だといえます。
社員満足度を向上させるために
内閣府がまとめた平成21年度「国民生活選好度調査」によれば、仕事において最も重要視すること(7項目より、考えに最も近いものに2つまで回答)において「賃金などの報酬」が42.4%、「雇用の安定」が40.6%、「仕事と生活のバランス確保」が39.5%、「仕事のやりがい」が36.2%という結果が出ました。
社員が仕事に対して重要視している上記の項目が満たされることが、社員満足度の向上にも大きく関係しているといえます。なかでも賃金の報酬や雇用の安定など、待遇面での安定性を求める数値が多いのがポイントだといえます。
仕事とプライベートのバランスや、やりがいももちろん必要ではあるものの、それだけではなく仕事に見合った報酬があることで社員の満足度向上につながるでしょう。雇用の安定についても、政府が推進している「働き方改革」によって社会全体で雇用形態に関する改革が進められていけば、社員満足度にも好影響があるといえます。
社員満足度を向上させることが企業の将来を明るく照らす
サービス・プロフィット・チェーンにもあるように、顧客満足だけが企業の業績に大きく影響するのではなく、その前段階として社員満足度を向上させることが大前提であるともいえます。
社員満足のために投資をすることは、企業の将来性を明るくするために、まず始めにすべきことの一つだといえるのではないでしょうか。
(提供: フクリ! )
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