三井不動産 <8801> は赤坂に続く第2の東京ミッドタウンを2018年3月に開業する。場所は日比谷だ。地上35階建てとなり、低層部は商業施設、高層部はオフィスを誘致する複合施設となる。日比谷の新名所となるだけでなく、隣接する銀座・有楽町エリアとの間に新たな動線を生む可能性もある。
日比谷公園の向かいに地上35階建て複合施設が誕生
9月4日、三井不動産は千代田区有楽町一丁目で推進する「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」とする事を発表した。2007年に開業した港区赤坂に続く第2の東京ミッドタウンとなる。日比谷公園の向かい側に立地し、2018年3月29日に開業する予定だ。
「東京ミッドタウン日比谷」は地上35階、地下4階、延べ床面積約18万9000平方メートルの建物であり、オフィス、商業施設等から構成される複合施設となる。地下1階から地上7階までが商業フロアとなり、全60店舗が出店する。9、10階のロビー階を経て11階から34階がオフィスフロアとなる。
明治政府が国賓や外交官をもてなす為の社交場として建設した鹿鳴館や日本の迎賓館として誕生した帝国ホテル等、明治以降、日比谷には交流を生み出す施設が多く立てられた。文化の交流地となった日比谷は、その後、文化の発信地としての地位も築いていった。音楽の聖地とされた日比谷公会堂や東京宝塚劇場、帝国劇場、日比谷映画劇場等、芸術文化・エンターテイメントの街として知られている。
「東京ミッドタウン日比谷」はそうした日比谷のDNAを受け継ぐ事をコンセプトにしている。商業エリアには11スクリーン、約2300席という日本最大級の「TOHOシネマズ日比谷」を誘致し、他のテナントも国内初出店が5店舗、新業態店舗が22店舗とバラエティに富む。「東京ミッドタウン」の名を冠する事からも、三井不動産の力の入れ具合が伝わる施設となっており、東京の新名所となる可能性は高い。
日比谷は銀座・有楽町とつながる巨大商業エリアに?
これまで日比谷には商業施設は少なく、銀座・有楽町エリアといった商業エリアとの往来は多くなかった。「東京ミッドタウン日比谷」が誕生すれば、日比谷と銀座・有楽町エリアを結ぶ動線が生まれる可能性があり、それらをつなげた巨大商業エリアが誕生する事となる。東京駅等からのアクセスも良い日比谷には国内外の観光客も多く訪れる事が予想され、徒歩圏にある銀座・有楽町エリアにも集客増の余波が来る可能性は高い。
これまでは日比谷という土地に馴染みの薄かった人も多いだろう。「東京ミッドタウン日比谷」は日比谷に新たな価値を生み出す建物となる。森ビルが作った「虎ノ門ヒルズ」も良い先行事例となろう。オフィス街のイメージが強かった虎ノ門に複合施設を建てる事で多くの人を呼び込んでいる。2018年3月の開業まで残り半年程度、日比谷の新名所に注目したい。(ZUU online 編集部)