ビットコインやリップルなど仮想通貨の個人口座が不正アクセスされ、別口座に送金される新たな手口の事件が多発しているという。警察庁の集計によると、今年1-7月に33件発生し、約7650万円の被害が出ている。狙われた仮想通貨は、リップルが2960万円で最も多く、ビットコイン2929万円、イーサリアム20万円、ネム10万円など。

仮想通貨の口座にログインするには、パスワードなどの認証が必要だが、何らかの方法で不正にログインされ、口座内の仮想通貨が勝手に別の口座に移されていた。海外などで現金化された可能性があるという。被害に遭ったケースは、不正防止に有効な2段階認証を利用していなかった。

2段階認証などセキュリティー対策怠る

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(写真=SuperSmart/Shutterstock.com)

インターネットバンキングの不正送金は、仮想通貨取引所を利用した新たな手口が出てきており、同庁は「海外には本人確認が甘い取引所があり、送金が容易で追跡されにくい仮想通貨が狙われている」と警戒を強めている。被害の出た取引所はいずれも、ログイン時のID・パスワードとワンタイムパスワードなどの2段階認証を導入していたが、23件の被害のうち20件では利用されていなかった。

ネットバンキングのこの手口の不正送金では、19件(計約1億400万円)確認された。うち7件では取引所側が不正に気付き入金を阻止したが、12件で約3500万円の被害が出たという。

上半期のネットバンキングの不正送金被害は約5億6400万円で、前年同期比37%減った。過去に不正送金に使われたIPアドレスを監視するなどモニタリングの強化により、都市銀行などで個人口座の被害が約4億6400万円減少したことが影響したとみられる。

仮想通貨は次世代通貨として市場規模10兆円に

今年上半期に全国の警察に寄せられたサイバー犯罪に関する相談は6万9977件(昨年同期比4.9%増)で、2001年以来最も多かった。ビットコインなどの仮想通貨を取引するアカウントを乗っ取り、不正送金をする新たな手口も確認されたのが影響した。警察庁によると、ネット上で商品代金をだまし取るなどの詐欺・悪質商法関連の相談が3万6729件もあった。

ほかに不正アクセスやコンピューターウイルス関連が6848件。ネット銀行にからむ不正送金は214件で、それでも昨年同期より645件の大幅減、被害総額も3億3300万円少なかった。ビットコイン絡みなど新手の犯罪にシフトする傾向が目立つ。

ビットコインなど仮想通貨は、取引所でドルや円を交換できる「次世代通貨」として急速に普及している。そこに目をつけたサイバー犯罪者による犯罪の温床になっている。最近は1ビットコイン(BTC)が4600ドル(USD)前後で変動も激しい。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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