日経,書評,バブル
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今そこにあるバブル (日経プレミアシリーズ)

著者:滝田 洋一
出版社: 日本経済新聞出版社
発売日:2017/8/9
価格:918円(紙版、税込み)

ニュースなどで「バブル期越え」という記述が散見されるようになってきた。2017年8月、厚生労働省 は2017年7月の有効求人倍率(季節調整値)が1.52倍だったと発表した。バブル期の1990年の1.46倍を4カ月連続で上回り、1974年2月以来、約43年ぶりの高水準となっている。本書は現在世界で起こりつつある「バブル」やその仕組みに焦点を当てている。

著者の滝田洋一氏は1981年に日本経済新聞社入社 。現在は同紙の編集委員を務め、経済と金融を取材 している。「世界経済 まさかの時代」「金利を読む」など多くの経済書を執筆している。

出始めてきた高揚感

著者は「バブル」を「ファンダメンタルズ(実体)に基づく理論価格からかけ離れた資産価格」と定義する。また、「バブル経済」とは「不動産や株式などの資産価格が投機によって理論価格を大きく上回る水準まで買い上げられる過程で、『経済全体が実力以上に活気づくこと』」であると述べている。

本書は著者が六本木や銀座の街を歩き、その様子を観察するところから始まる。街のにぎわいを通じて、日本にバブル期のような高揚感が出始めていることを指摘している。

高額消費が活発になっている例としてJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の好調を挙げている。同列車は甲信越地方を巡るコースや、東北地方を中心としたコースなどを提供しているが、大人1人あたりの料金(2名1室利用)が32万から95万円と高額にもかかわらず18年3月出発分まですでに完売しているという。

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