時間を有効に活用するということは、人生を有効活用できるということと同義です。では、あなたの人生にとって重要なことは何でしょうか。そしてそれを今から行うために、どのように時間を費やしていきますか?

(本記事は、永井孝尚氏の著書『 残業ゼロを実現する「朝30分で片付ける」仕事術 』KADOKAWA(2017年6月15日)の中から一部を抜粋・編集しています)

死の床で振り返るのは家族のこと、自分のこと

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(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

死の床にある経営者に自分の人生を振り返ってもらうと、「もっと仕事をすればよかった」という人はいないそうです。誰もが語ったのは、「家族や自分のために、もっと時間を使いたかった」ということ。

ビジネスパーソンにとって、仕事はとても大切なものですが、私たちがよき人生を全うするには、仕事だけでなく、仕事以外で自分が大切にしているものにどれだけ時間を費(つい)やせるかにかかっています。

本書を書いた理由のひとつも、多くの方に、より充実した人生のために朝時間をうまく活用してほしいと願っているからです。

私は朝シフトする前は、平日の最優先はつねに仕事。家族も大切でしたし、やりたいこともたくさんありましたが、それは後回しにせざるを得なかったのです。

朝シフトしてからは、時間に余裕が生まれました。その結果、勤務時間こそ仕事に集中していますが、1日全体で見ると、仕事も、プライベートも、ライフワークも、同じ優先順位で考えられるようになりました。私にとっては、仕事も、ライフワークも、プライベートも、家族も、かけがえのないものです。

人生の最後の日は、30年後にやってくるかもしれないし、半年後か、3日後かもしれません。しかし誰にでもその日は必ず訪れます。だから私は、今日が最後でも笑顔で「自分らしい、最高の人生だった」と言える、充実した人生を送りたいといつも思っています。
そこで、本章では仕事から離れて、朝シフトによってライフワークを広げていくための考え方をご紹介します。

朝シフトでできた時間をライフワークに充てる

私のライフワークは、大きく分けて「写真」「ブログ」「本の執筆」です。写真は、20代後半まではプロの写真家を本気で目指し、雑誌にもとりあげられたり、写真展の個展を銀座や渋谷、六本木などで開催してきました。しかし写真展は朝シフトとは直接関係はないので、今回は割愛します。ここでは朝シフトで広がったライフワークとして、「ブログ」「本の執筆」をとりあげます。

通勤電車の中で毎日ブログを書く

私はITメディアが開設しているオルタナティブ・ブログでブログを書いています。オルタナティブ・ブログは、IT業界を中心とした経営者やビジネスパーソン約250名が参加しているブログコミュニティです。人気ブロガーが多いこともあって、多くの方々がアクセスして記事を読んでくださっています。

私はここで「マーケティング」「ビジネススキル」「ライフワーク」「グローバルと日本」というテーマで、毎日ブログをアップしています(毎日更新は2015年2月で終了。その後ブログサイトは引っ越し)。

私がブログを毎日書いていた理由は、「日本のビジネスパーソンは、もっと積極的に社外に情報発信すべきである」と考えているためです。

日本のビジネスパーソンの多くは、インサイダーの存在でした。

仕事の場も一緒に仕事をする人たちも基本的に社内です。情報も社内で流通しています。終身雇用制の名残があり、労働市場の流動性が低いことや、今までは企業活動が企業内で閉じた形になっていたこともあって、個人が情報発信をする必要性はあまりありませんでした。

一方で、日本のホワイトカラーの生産性は先進国中で低い状況が続いています。組織的な問題もさることながら、今までビジネスパーソンが個人の競争力をつけてこなかった結果です。

「自分の考え方を情報発信する」とは、「批判を受け入れる覚悟を持つ」ということです。そして、実際に「批判を受け入れる」ことは、成長につながります。

しかしながら自分の考えを持っていても、その考えを出したがらないビジネスパーソンがとても多いのは残念なことです。自分の考えを表明しないと、その成長のチャンスを逃してしまうのです。

私たちビジネスパーソン一人ひとりが、実名で、責任を持って情報を発信し、自分たちが仕事を通じて得た経験や知見をもっと社会全体で共有することで、日本は必ずいい方向へ変わっていくと私は考えています。

私がビジネスブログを始めたのは2006年です。社員がブログを書くことについて、明確に規定していない会社も多いのですが、幸い、当時の私の勤務先であった日本IBMは社員にブログを書くことを推奨しています。

2006年の初めからブログを始めて、途中ブランクがありましたが、毎日ブログを書き続け、2017年4月までに合計3000件の記事を書いています。

幸い、行き帰りともに電車で座れるので、ブログは主に電車の中で書いています。

著書の執筆

本の執筆もブログ同様、「日本のビジネスパーソンは、もっと積極的に社外に情報発信すべきである」という私の考えの延長線上にあります。ビジネスパーソンが書く文章はプロの書き手にはかなわないかもしれませんが、現場で社会の現実と闘っているビジネスパーソンだからこそ書ける世界もあるからです。

私は会社員という立場にいるときにも、何冊もの本を出版してきました。
本書も、執筆活動を続けている中で、出版社さんからお話をいただいて実現したものです。

勤務先の業務があった当時は、平日の昼間は執筆できません。そこで執筆時間は、主に週末と休日、それに仕事がピークではない時期の朝時間を使うことになりました。

往復の通勤電車が書斎代わり

会社員時代の「朝の使い方」を振り返ってみます。朝シフトにより、年間684時間の通勤時間を、有効活用できるようになりました。

まず、朝の通勤ラッシュを避けられます。私の場合、会社まで50分間は必ず座れたので、電車が書斎代わりになります。この時間は、主に頭の活性化の準備運動として、新聞や本を読んで情報インプットを行っていました。座っているので、パソコンを広げてブログを書いたり、資料を作成したりといった作業も行えます。

オフィスから退社するのは午後5時前です。この時間帯はクールダウン。電車は早朝ほどすいてはいませんが、ほとんど座れます。しかしながら、昼間の業務で頭が疲労しているので、受動的な情報インプットを行うと、ともすると眠くなることも。そこで能動的な作業として主にブログを書きます。

これが、混雑した電車に立ったまま乗車した場合だとどうでしょうか。

当然パソコンでの作業はできませんし、混雑をしていると、情報のインプットにも集中できません。特に私が乗っている東急田園都市線は、ピーク時には新聞も読めないほど混雑します。朝シフトによる早朝出勤は、通勤時間を活用するためにも欠かせないのです。

仕事のない週末で充実した人生を

朝シフトによって、平日の生産性がアップし、質の高い仕事がこなせるようになると、仕事を休日に持ち越すことがなくなります。その結果、休日に年間1233時間の自由時間を確保できるようになります。このまとまった時間をうまく活用すれば、ライフワークをさらに充実させることができます。

私の場合、週末はゆっくり休んで疲れをとったり、本の執筆をしていました。このように朝シフトを戦略的に活用することで、より充実した人生を実現できるのです。

永井孝尚
1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。本業のかたわら朝時間の活用によりビジネス書の執筆活動を続けベストセラーを生む。2013年、30年間勤務した日本IBMを退社して独立。ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任し、数多くの企業や団体に講演やワークショップ研修を実施。

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