金曜日の海外時間には、米長期金利が上昇して円売りが優勢となりましたが、発表されたた米・8月小売売上高などが予想を下回ったことから円はやや買い戻されました。
欧州時間、序盤から米長期金利と原油相場が上昇すると、日経平均先物も上昇し円売りが強まって、ドル円は8月の高値を上抜いて111.30円台まで、ユーロ円は133.00円台まで上昇しました。
NY時間にはいると、発表された米・8月小売売上高が予想を下回ったことから米長期金利が急低下し、円の買い戻しが強まってドル円は110.80円台まで、ユーロ円は132.80円付近まで反落しました。続いて発表された米・8月鉱工業生産も予想を下回ると円買いが一段と強まって、ドル円は110.60円付近まで、ユーロ円は132.40円台まで下落しました。この間ユーロドルでもドル売りが優勢となって、1.1980台まで上昇 しています。
しかし、その後発表された米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想よりも良い結果となると米長期金利が一段高となって、ドル買いが強まり、ドル円は111.00円台まで、ユーロ円も132.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.1950台まで下落しました。
NY時間午後にかけて、米長期金利が再び低下したことから円買いが優勢となって、ドル円は110.70円台まで、ユーロ円は132.20円台まで ユーロドルも1.1930付近まで下落しました。
週末に「安倍首相が10月に衆院選挙を行う意向を固めた」と報じられたことから、週明けの市場ではやや円売りが先行しています。
今日の海外時間にはユーロ圏・8月消費者物価指数(確報値)、米・7月対米証券投資収支の発表があるほか、カーニー・英中銀総裁、レーン・加中銀 (BOC)副総裁の講演が予定されています。
9月前半の相場では北朝鮮問題によるリスク回避で円高が進む場面が何度かありましたが、先週木曜日の英中銀金融政策委員会をうけて、英利上げ予想が前倒しとなって以来、市場の注目が金利動向に移っています。その中で、改めてアメリカの年内利上げが意識され、円売りが出やすい環境となりまし た。また10月後半に衆院選が行われる可能性が高まる中、週末の一部世論調査では安倍政権の支持率が不支持率を上回ったと報じられたことも円売りを後押ししています。金利を巡る環境はすぐには変わりにくいことから、地政学的リスクに注意しつつも円売り(外貨買い)のチャンスを探る展開とな る見通しです。
FF金利先物による年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約57%とやや上昇しています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。
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