官民一体となって進めている賃上げであるが、その効果を実感できる人が増加している可能性がある。千趣会 <8165> の運営するベルメゾン生活スタイル研究所が8月28日に発表した「女性の生活意識アンケート調査」によると、配偶者の給料が「増えた」との回答が、調査開始の2012年6月以降で最高の水準となった。ただ、調査を読み解いていくと、手離しでは喜べないリアルな声も多くある事が分かる。
配偶者の収入 「増加」が「減少」を初めて上回る
女性の生活実感や景況感、節約や節約意識について調べた同調査は2012年6月から半年に1回行われている。今回で11回目となり、6月8日~22日にかけてインターネット上で行われ、30~50代の女性2391名から回答を得た。
世帯収入について聞いたところ、27.7%が「増えた」と回答しており、前回調査から3.5ポイントの増加となった。「減った」と答えた人は27.1%で前回調査から3.6ポイント減少しており、調査開始以来、初めて「増えた」と答えた人が「減った」と答えた人を上回った。
配偶者の給料については、「昨年よりとても増えた」(1.5%)、「昨年より少し増えた」(29.1%)の合計は30.6%となり、増えた人と答えた人は前回調査より2.2ポイントの増加であった。一方、「昨年よりとても減った」(5.4%)、「昨年より少し減った」(13.5%)の合計は18.9%となり、減った人は前回調査から2.7ポイント減少した。「増えた」と答えた人の割合は、調査開始以来、最も高くなる一方、「減った」と答えた人の割合は最も低くなっている。
今回の調査では、世帯収入や配偶者の収入について、過去6年で最も増加を実感している女性が多いという事が分かった。企業業績の改善や官民一体となって進めている賃上げの効果が、家庭にも広がりつつある事が窺える。