不動産業に携わっていると、いい物件、悪い物件という言葉を耳にします。確かに、いい物件はあります。立地がいい物件、設備や建物がいい物件、入居がいい物件ということは分かります。しかし、悪い物件を見たことがありません。地方×ガラボロという悪い条件物件ですら、満室の高収益物件に生まれ変わることを私は見てきました。悪い物件はないのです。悪い管理があるだけなのです。
この悪い管理物件を変身させるのには高度な知識も、豊富な経験もいりません。基本的に、あなたは不動産経営では王様でよいのです。優秀な家臣、特に直接関係が深い管理会社、賃貸仲介、修理業者とのかかわり方が重要になります。サラリーマンのままで、遠方でも不動産経営できるためには、プロとの付き合いにこそ学ぶべきです。
(本記事は、広之内 友輝氏の著書『
貯金100万円から月収50万円生活 はじめての人が地方×格安不動産でお金の自由を手に入れる5つのステップ
』ぱる出版(2017年9月21日)の中から一部を抜粋・編集しています)
管理会社を見極める3つのポイント
付き合っている管理会社が、いい管理会社かどうかの見分け方をご紹介します。いい管理会社かを見極めるポイントは3つです。
1.ホウレンソウ
もっとも大切にしているのは「ホウレンソウ」です。物件の報告、連絡、相談がきちんとしている会社は本当に安心できるものです。毎月の定期巡回の結果は必ずほしい報告です。動画で物件をとってyoutubeにアップしてくれる業者もいますが、遠方の場合、本当にうれしいものです。また、退去時の部屋の状態も写真で報告がほしいところ。「これだけ修繕費がかかります」と請求だけくる場合が多いですが、写真付きであれば納得して対応できます。
2.募集状況の報告
何店舗で募集しているか、物件に何件案内に行ってくださったかを知っておくと、対策を考えることができます。また、いい管理会社の見極め方としては「提案力」です。「空室が埋まらない」となったとき、何をすればよいか教えてくれる会社は執事を超えて「軍師」です。さらに、あまりお金をかけないで提案してくれる「オーナー目線」だと最高です。
3.マージンの確認
管理会社の儲けが適正かどうかも確認しましょう。管理会社に修理をお願いすると修理業者を手配してくれますが、修理代に管理会社のマージンが乗って請求が来ます。この管理会社のマージン(手間賃)が適正であると、信頼関係が生まれます。ただし、適正か判断するのはカンタンではありません。年によって仕入れ額や修理業者の手間賃も変わるからです。
私が使っているカンタンな物差しはクロスの単価です。地方都市の場合、クロス単価が比較的高いですが、1平方メートル700円台であれば合格としています。中には、修理業者からの見積もりを添付してくれ、そこに5%の紹介料として、管理会社の利益を明確にしてくれる業者がいます。