お金を生まないものを買うのが悪い借金、お金を生むものを買うのがよい借金です。悪い借金の代表的なのは車、家電、パソコンや携帯などがそうです。これらを買う際に使われるローンは、響きが良くても「悪い借金」です。これらは、生活を豊かにしてくれますが、懐はちっとも豊かになりません。こうした素晴らしい製品は、極力自己資金で買うべきと考えます。

一方、お金を生むものを買う借金もあります。不動産、生産設備など「投資財」とも呼ばれますが、こうしたお金(価値)を産み出すものの為にお金を使うことは、「投資」と呼びます。これらを買っても、生活は豊かになりませんが、あなたの懐を豊かにしてくれます。こうした投資を行うために、導入する借金(融資)は、「よい借金」といえるのではないでしょうか。

(本記事は、広之内 友輝氏の著書『 貯金100万円から月収50万円生活 はじめての人が地方×格安不動産でお金の自由を手に入れる5つのステップ 』ぱる出版(2017年9月21日)の中から一部を抜粋・編集しています)

会社員という属性は「見えない財産」

月収50万円生活
(画像=Webサイトより)

金融機関が使う「属性」というのは、個人の信用情報(ローンの延滞など)、勤務先や収入など、その人の信用を裏付ける情報のことです。都市銀行の融資経験者や地方銀行の審査担当者に聞き取りした結果、1位は資産家、2位は公務員や専門職、3位は大手企業正社員、4位は中小企業正社員となりました。勤続年数や実績などで大きく順位は変わるのであくまで目安です。また、金融機関の支店長や統轄支店の融資役席者にも複数伺いましたが、一般論として、公務員や会社員の方が収入が確定できるという「属性上での有利点」があることは共通していました。つまり、会社員という「属性」は、金融機関に評価される「見えない財産」なのです。

審査や他の条件によって違いはありますが、会社員であるという属性を活用して融資を受ければ基本的に、年収の20倍程度の融資が可能です。あなたがもし年収500万円程度のサラリーマンなら1億円の資産は十分に手に入れられます。会社員の属性とは、1億円の不動産を手に入れるチケットなのです。

不動産経営のおける「借金」への考え方

労働で稼いだ収入から節約することで、お金を貯めていく。多くの方も似たようなことを教わったのではないでしょうか。この考え方を資産方程式1(収入-支出=収支)とします。

しかし、昭和末期バブルの風が吹き「財テク」などという言葉が流行語となった昭和から平成にかけて、日本にも「運用」という考えが広まり、資産方程式には「運用」という概念が入ったのです。資産方程式1の「収入-支出」の部分は、自分が働いて得た収入から自分が消費した支出を引いたものです。こうして自分でくくった資本を「自己資本」と呼びます。運用を絡めた資産方程式2は「収入-支出(自己資本)×運用=収支」のように考えると分かりやすいでしょう。

しかし、平成から新元号に向かう今、資産方程式3「(自己資本+他人資本)×運用=収支」を提案します。運用で注目していただきたいのは、元手100万円より元手1000万円の方が10倍儲かるというところです。しかし、自己資本を10倍にするには、10倍稼がなければいけません。時間も労力も必要です。そこで、借り入れという他人資本を導入して資本を充実させるのです。不動産投資において、資産方程式2で経験を積んだあと、3に移ることも実は発展的な考え方です。不動産投資を資産方程式2で行った場合と、3で行った場合を比較してみましょう。

例1)資産方程式2 条件:自己資金150万円、利回り15%
150万円の不動産×利回り15%=年間22万5000円収益

例2)資産方程式3 条件:自己資金150万円、他人資本1350万、利回り15%
(150万円+1350万円)の不動産×利回り15%=年間225万円収益

もちろん融資への返済がありますが、金利2%の10年返済としても、返済は年150万円程度ですので差し引き75万円程度の収益となります。きちんと不動産経営ができる前提で考えると、資産方程式3のほうが、キャッシュベースでも3倍以上効率的なのです。

この効率を活用しているのがお金持ちです。もっとも借金をする割合が高いのが、年収1200万円以上のお金持ち階層なのです。お金持ちこそ借金するのです。では、お金持ちは借金して何に使っているのでしょうか? 使い道の2位に耐久消費財(車や家電など)と並んで、土地建物の投資資金が来ていることが他の階層と違っています。お金持ちは、借金して不動産などの実物資産に投資をしているのです。