旅行代理店大手のエイチ・アイ・エス(H.I.S.) <9603> が店頭決済に導入をスタートさせたり、テレビのコマーシャルでも見かけたりと、仮想通貨ビッドコインが市場で浸透しつつある。

夏場以降、荒い値動きを繰り広げているビットコインに対し、欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は、「ビットコインはチューリップのようなもので、儲けたい人のための投機手段で、通貨ではない」と述べ、17世紀にオランダで発生したチューリップの球根バブルを引き合いに出し、仮想通貨の躍進による中央銀行の立場が脅かされる懸念を払しょくした。

副総裁が持ち出した球根バブルとは一体どのようなものだったのか。過去の教訓から仮想通貨との付き合い方にいかせる教訓は何か。

ビットコイン 17年は5倍の値上がり

球根バブル,ビットコイン
(写真=PIXTA)

ECBの副総裁が何世紀も前の球根バブルを引き出して語るほど、ビッドコインの値動きは激しい。2017年初は1ビットコイン(BTC)=1000ドル前後の水準だったが、6月には3000ドルを突破。その後、一旦は値下がりをみせたものの、7月以降、再び上昇ピッチが加速し、9月には5000ドルに迫る水準まで高騰した。

飛ぶ鳥を落とす勢いで値上がりをみせていたビットコインだが、中国が仮想通貨に対する規制を強化し、同国内の3大取引所がすべて閉鎖することになり、その影響からビットコインは9月半ばには3000ドル台まで下落した。

いまだ語り継がれる400年近く前のバブル