金融庁はFXの証拠金倍率(レバレッジ)を現在の最大25倍から来年にも最大10倍程度に引き下げる検討に入ったと、9月27日付けの日本経済新聞電子版が報じた。為替相場が急変した場合、投資家の想定を超える損失を抱えるリスクが高まっているという判断のようだ。

FXを初めて取引する場合、証拠金取引をよく理解せずに25倍のレバレッジで取引してしまう可能性が全くないわけではないだろう。不測の事態が発生した場合、為替相場に限らず価格が変動する金融商品の価格が急激に変動することはよくあることだ。ここでは、FX取引のレバレッジについて解説していこう。

FX(外国為替証拠金取引)とは 外貨投資から理解

FX取引,レバレッジ
(写真=PIXTA)

外貨投資とは文字通り、外貨建ての金融商品に投資すること。投資できる通貨には、米ドルやユーロといった主要通貨をはじめ、英ポンドやカナダドル、豪ドルやNZドルなどがあり種類も豊富だ。

日本では2016年2月からマイナス金利政策が導入されて以降、未曽有の低金利の状態が続いている。普通預金金利は0.001%とまで低下し、ゼロに等しい状況だ。一方、世界経済のカギを握る米国では、米連邦準備委員会(FRB)が10月から量的緩和政策を終え、保有資産を縮小することを決定した。海外の金融商品に目を向けると、金利が0.2%程度から6%を超えるものまで様々あり、高金利を魅力的に感じた人も多いのではないだろうか。

外貨建て金融商品の一つに、FX(外国為替証拠金取引)がある。FXとは、円を売って米ドルやユーロを買うなど、外国通貨を売買する取引のことである。利益を得る方法としては、為替の変動幅で利益を得る方法と、通貨の金利差(スワップポイント)で利益を得る方法がある。

取引方法としては、証拠金取引であるため、割安な通貨を買う「買い」の取引と、割高な通貨を売る「売り」の取引法が利用できる。一般的な外貨投資では、その金融商品を買い、利益を確定する=売る取引しかできない。

例えば、外貨預金の場合には、外貨を購入した価格より値下がり(=円高になる)すれば、損失が発生することになる。しかし、証拠金取引では「売り」からの取引を行うことができる。そのため、値下がり(円高になる)が予測される場合にはその通貨を売ることで利益を得ることができる。

FX取引のレバレッジの効果とは?

FXは、証拠金取引であるため、総取引代金の数%程度の少額の証拠金を委託することで、外国通貨を取引することができる。通貨によって異なるが、1万円程度の証拠金を預け入れることで取引を行うことができる。外貨預金などでは取引金額の資金全額を用意する必要がある。FXでは、証拠金を預け入れることで投資金額以上の取引ができる。レバレッジ効果(てこの原理)があるため、少ない資金で効率の良い取引を行うことが可能になる点が魅力と言える。

具体的な例で考えてみたい。例えば、ドル円相場が1ドル120円だった場合に、今後は円安ドル高になると予測したとしよう。1ドル120円で1万ドル購入した後、運良く予想通りに130円の円安ドル高になり、売却することができたとする。

この場合、総取引代金は120円×1万ドルで120万円となる。しかし、実際に証拠金(証拠金率を5%と仮定した場合)として使っている金額は、120円×1万ドル×10%=12万円となる。本来であれば120万円が必要になるところ、たった12万円の証拠金があれば取引することが可能になるのだ。

現在、FXの証拠金倍率(レバレッジ)は、最大25倍に設定されている。通常10万円の証拠金で10万円を取引するとレバレッジは1倍になる。10万円の証拠金で30万円を取引するとレバレッジは3倍、50万円を取引するとレバレッジは5倍になる。FXは最大25倍なので、10万円で250万円まで取引することができる。

手元の投資資金以上に取引できれば、利益を大きくできる点はメリットだろう。反面、利益がいつも得られるとは限らず、損失が発生する場合もある。その場合には、最初から自分の能力、投資資金以上の損失になる場合も否定できない。

前述の買った値段が120円で、予測が外れてしまい110円と円高ドル安に動いた場合で考えてみたい。120円で買って110円に動いた場合は、10円円高ドル安に動いているため、10円×1万ドル=10万円の損失になる。証拠金が12万円だが、損失が10万円のため、証拠金の大半が損失として差し引かれることになる。

予想が外れてさらに円高ドル安が進行した場合には損失が大きくなるため、追加の証拠金が必要になる場合もある。(追加証拠金制度=追証/おいしょう)証拠金取引では、実際の投資金額以上に取引することが可能になるが、その分、リスク管理には注意する必要があると言えるだろう。

規制が強化される、されないに限らず、普段から過度なレバレッジを効かせることは避けた方がよいことはもちろんのこと、ロスカットルールなどを活用して損失が発生した場合に備えておくことが大事になるだろう。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行( http://yokoyamarika.com/9zu1 )、講演活動、株塾を行う。

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