安倍内閣が推進してきた「働き方改革」、中でも目玉政策として掲げた「同一労働同一賃金」は実現に向けて進んでいるのだろうか? 衆議院が解散され、総選挙を目前に控えた今、「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」や他の政府統計から検証する。

「同一労働同一賃金」に関する政府の狙い

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(写真=PIXTA)

首相官邸が発表している「働き方改革実行計画」は、30代以上の女性は、子育てや介護を理由として自ら非正規雇用を選択しているほうが多いことを問題視し、「同一労働同一賃金」の法律を整備することで、正規雇用と非正規雇用の待遇差を解決することを目標としている。

この方針を受けて厚生労働省では、現在正規の仕事がないからを非正規労働の選択理由としている人、いわゆる不本意非正規雇用労働の割合を2016年の15.6%から2020年には10%以下にすることを目標として掲げている。

「同一労働同一賃金」というスローガンを掲げているが、政府は実際には、子育てや介護を理由として不本意ながら非正規労働を選んでいる人を減らすのを狙いとしている。

「同一労働同一賃金」はほとんど進まず