このところの国の住宅施策は、新築住宅の建設を促進する従来の新築一辺倒から、「いい住宅を建てて、長く大切に使う」方向に転換しつつある。その住まいを長く大切に使う方法のひとつとして、この数年にわかに注目度が高まっているのが、住まいのリノベーションだ。

従来のリフォームとは異なり、中古住宅を最新の新築住宅並みの基本性能に引上げ、より快適に、長く住まえる住宅とするのがリノベーションで、国もリノベーションを促進するため、各種の補助金制度やローン減税などさまざまな支援策を実施している。

「リフォーム」と「リノベーション」の違い

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(写真=PIXTA)

リノベーションという英語を日本語に翻訳する場合、「革新」「刷新」などのことばがあてはめられる。それに対して、リフォームは「改良」「修復」といった意味合いが強い。

つまり、リフォームは古くなった住宅を修復して元に近い状態に戻そうとする試みであり、リノベーションはそこにとどまらず、最新の技術や設備を投入して、住宅の基本性能の向上を図り、最新の新築住宅並みの性能を確保しようとするものということができる。

それでいて、構造躯体などはそのまま残すので、新築に比べるとかなり安く手に入れることができるというメリットがある。しかも、新築住宅は駅から遠く離れた場所でしか供給されないエリアが多いが、リノベーション住宅なら比較的便利な場所で手に入れられる可能性が高いなどの魅力もある。

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