このところの国の住宅施策は、新築住宅の建設を促進する従来の新築一辺倒から、「いい住宅を建てて、長く大切に使う」方向に転換しつつある。その住まいを長く大切に使う方法のひとつとして、この数年にわかに注目度が高まっているのが、住まいのリノベーションだ。

従来のリフォームとは異なり、中古住宅を最新の新築住宅並みの基本性能に引上げ、より快適に、長く住まえる住宅とするのがリノベーションで、国もリノベーションを促進するため、各種の補助金制度やローン減税などさまざまな支援策を実施している。

「リフォーム」と「リノベーション」の違い

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(写真=PIXTA)

リノベーションという英語を日本語に翻訳する場合、「革新」「刷新」などのことばがあてはめられる。それに対して、リフォームは「改良」「修復」といった意味合いが強い。

つまり、リフォームは古くなった住宅を修復して元に近い状態に戻そうとする試みであり、リノベーションはそこにとどまらず、最新の技術や設備を投入して、住宅の基本性能の向上を図り、最新の新築住宅並みの性能を確保しようとするものということができる。

それでいて、構造躯体などはそのまま残すので、新築に比べるとかなり安く手に入れることができるというメリットがある。しかも、新築住宅は駅から遠く離れた場所でしか供給されないエリアが多いが、リノベーション住宅なら比較的便利な場所で手に入れられる可能性が高いなどの魅力もある。

最大300万円の補助金「長期優良住宅化リフォーム」

しかも、先に触れたように現在は国の住宅政策の目玉商品的な扱いになっていて、リノベーションに対しては、各種の支援策が充実している。

たとえば、既存の住宅を劣化対策、耐震性能、省エネ性能、維持管理性能などの面から性能を向上させ、「長期優良住宅」と呼ばれる性能の高い住宅並みにリフォームする場合、1戸当たり最大で300万円の補助金が支給される制度が実施されている。

制度の名称には「リフォーム」というコトバが使用されているが、対象となる条件からみると、住まいのリノベーションといっていいだろう。

また、「断熱リノベ」と略称されている「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」では、一定の断熱性を高める工事を行った場合、一戸建ては120万円、マンションは1戸当たり15万円の補助金制度が出る。1戸当たり15万円ということは、50戸のマンションならマンション全体で750万円の補助金になる。

さらに、住宅ローンを利用してリフォーム、リノベーションする場合には所得税が還付される所得税減税制度も実施されている。

新築住宅を取得するのに比べて、比較的安く手に入れられる上に、こうした補助金やローン減税制度を利用すれば、格段に買いやすくなるはずだ。