長年賃貸マンションに住んでいると、壁の汚れやクロスの傷みなどの不具合が生じる。賃貸物件だから、基本的には貸主(大家)が修理代を出してくれるが、場合によっては、借主(居住者)が負担をしなければならないケースがある。

賃貸の経年劣化は貸主が修繕してくれるのでは?

賃貸,トラブル,原状回復
(写真=PIXTA)

筆者は先日、賃貸マンションの修理について相談を受けた。

Aさんは築20年の賃貸マンションに5年間住んでいる。前々からトイレの壁に貼られているクロスにカビが生えていることが、気になっていた。そこでAさんは、管理会社に電話を入れて、現状を説明し、クロスの張り替えを依頼した。

3日後に業者がやってきて、現状を確認したり寸法を測ったりした上で、「管理会社に報告しておきますので、後日連絡があると思います」と言って、帰って行った。その2日後に、管理会社の担当者から電話があった。

担当者からは、「大家さんに現状を伝えたところ、Aさんが適当な管理をしていないので、修理代は出せないと言われた」という回答であった。電気代を節約するために、Aさんが換気扇を時々しか使用していなかったことを指摘されたのである。

長年住んでいると、住宅は自然と傷んでくる。この経年劣化は、借主の責任ではなく貸主の負担で修繕をしてくれると聞いていたが……というのがAさんの主張である。

どちらが費用負担すべきか?