経済産業省と総務省はが、企業がビッグデータを利活用するための「産業データバンク制度」を創設する。日本経済新聞などが報道した。一定の基準を満たした民間事業者が保有するデータを集約して「データバンク」と認定。データの種類や目的別に20-30のバンク創設を目指す。

バンクがデータ収集に必要な装置やソフトウェアなどを導入した場合、認定された民間の企業や団体には、設備投資に見合った所得税や法人税を優遇する方針。このようなデータの共同利用を通じて、政府は新規事業の創出や生産性向上につながることを期待している。政府は来年の通常国会にも、そのための産業競争力強化法の改正案を提出する。

起業や団体のデータを収拾、データバンクとして共同利活用

経産省
(写真=PIXTA)

創設されるデータバンクは、複数の企業が持つ地図情報や生産ラインの稼働状況などを集め、商品開発などの役立つデータにして、企業や研究機関に提供する。データバンクには複数の企業がばらばらに持っているデータをまとめる。単独の企業が持つ小さなデータでも、まとめてビッグデータにすればビジネスに使いやすくなる。

民間データだけでは不足する情報は公的データで補う。産業競争力強化法の改正案によって、「個人データ」を守る個人情報保護法 とともに、企業が事業活動で得る「産業データ」を適正に利用するための法制度が整う。

想定されているデータは、3D地図情報はじめ船舶・人工衛星の情報、カメラ画像など。バンクの担い手は、例えば自動車産業では、自動運転の開発に役立つデータが集約される。メーカー保有の走行時の自動車の挙動の加えて気象データがあれば、自動運転カーの安全性を高める技術開発につながる。併せて国土地理院など公的機関が持つ地図データも利用できるようになる。

データバンクはグローバル市場に対抗できる戦略的協調