10月16日、帝国データバンクは「企業における喫煙に関する意識調査」の結果を公表した。企業での受動喫煙防止対策が広がっており、現在検討されている公共施設での全面禁煙が実施された場合でも、7割近くの企業が「影響は無い」と答えている。ただ、「飲食店」等では、悪影響を懸念する声もあり、全面禁煙による影響は業種によって異なるようだ。
完全分煙は5割強、全面禁煙は2割強 多くの企業が喫煙に制限
調査は9月15日~30日にかけて行われ、全国1万212社から有効回答を得た。
自社の本社事務所や主要事務所内の喫煙状況について尋ねたところ、適切な換気がされている喫煙場所がある・屋外に喫煙場所を設けている「全面分煙」が56.2%で最多となった。社内での喫煙を不可とする「完全禁煙」が22.1%で続いた。2割を超える企業が「完全禁煙」に踏み切っており、5割強の企業は「完全分煙」を行っている。屋内に適切に換気されない喫煙場所がある「不完全喫煙」は10.0%、「特に喫煙制限は設けていない」は7.3%となり、企業での受動喫煙防止対策が広がっている事が窺える。
特に小規模企業で全面禁煙が進んでいるようだ。「全面禁煙」を行っている企業の割合は小規模企業では31.4%に上り、大企業の17.2%とは大きな差がついている。また、業種別では、不動産が44.1%で最も高く、金融(38.2%)、サービス(33.2%)と続いた。
喫煙制限を実施している企業に、その効果を尋ねたところ、「職場内がきれいになった」が61.2%で最多となった。火事リスクの低減等の「安全面が向上した」(34.3%)、業務中のたばこ休憩等「喫煙者と非喫煙者の公平性が向上した」(22.7%)と続いている。