部長や課長などの中間管理職に「働き方改革推進にあたり会社から十分なサポートはあるか」と聞いたところ、9割以上が「足りていない」または「ない」と答えている。

これはファザーリング・ジャパンが行った「管理職の本音(ボスジレンマ)調査」によるもの。働き方改革推進に対する意識や課題を明らかにすることを目的に行われた。調査対象は従業員50人以上の企業に勤める課長・部長1044人。役職の比率は課長70%、部長30%となっている。

働き方改革の取り組み状況

働き方改革,調査
(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

調査ではまず「職場全体で行っている働き方改革に関する取り組み」について聞いている。多く挙げられた回答を紹介しよう。

  • 「年次有給休暇の取得促進」64.8%
  • 「所定外労働時間の削減」64.7%
  • 「労働生産性の向上」が44.3%
  • 「育休・介護休業の取得推進」37.3%

「年次有給休暇の取得促進」「所定外労働時間の削減」については6割以上の企業が取り組んでいることが分かった。一方で、少数回答として「非正規雇用の処遇改善(8.2%)」「外国人人材の受け入れ(9.7%)」などが挙がっており、それぞれ1割にも満たない。

働き方改革では多様な働き方を可能にすることや格差の固定化の回避などがうたわれており、企業や職場に適した各々の取り組みが期待される。しかし、実際の取り組みは労働時間削減や休暇取得促進に偏った傾向にあることが分かる。

職場環境はどう変化しているか

働き方改革の推進などにより各職場ではどのような環境の変化があるのか。「現在の働く環境は3年前と比べてどのように変化しているか」との問いには、「業務量の増加」を挙げる人が多かった。回答を多い順に紹介する。

  • 「部署全体の業務量が増加している」46.0%
  • 「自分の役職における業務量が増加している」42.6%
  • 「成果に対するプレッシャーが強くなっている」41.9%
  • 「業務効率化に対するプレッシャーが強くなっている」34.8%
  • 「部下の残業削減や有給休暇取得促進に対するプレッシャーが強くなっている」27.3%

役職別で見ると、「自分の役職における業務量が増加している」と答えた部長の割合は34.6%だったが、課長では46.1%だった。現場対応を任される課長クラスで、とくに業務量の増加を感じている人が多いようだ。

また、働き方改革推進の影響もあってか、3年前に比べて「業務効率化に対するプレッシャーが強くなった」「残業削減・有給休暇取得推進に対するプレッシャーが強くなった」と感じている管理職は3割前後いた。

会社からのサポートは不十分

管理職に対する会社からのサポート状況はどうなっているだろうか。調査では「働き方改革推進にあたり会社から管理職に対する十分なサポートはあるか」と質問している。結果は以下のとおり。

  • 「十分にある」8.1%
  • 「あるが足りていない」49.1%
  • 「ほとんどない」34.3%
  • 「全くない」8.4%

会社のサポートが「あるが足りていない」と答えた人が約5割で、「ほとんどない」「全くない」と合わせると91.8%の人がサポートが不十分であると回答している。

この状況についてファザーリング・ジャパンは「職場全体で進めている働き方改革は声掛けに過ぎず、現場に丸投げされている傾向がうかがえる」と分析する。

「必要だと思うサポート」として中間管理職が一番に挙げるのは「業務量の削減」だ。体制や制度の整備よりも、まずは実務レベルでのサポートを求めている人が多いという現状が見て取れる。(渡邊祐子、フリーライター)

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