10月24日の日経平均株価は108円高の2万1805円で引け、16日連騰を記録した。翌17日は下げに転じ、連騰記録は途切れたが、16連勝は過去最長だ。日経平均は96年以来21年ぶりの高値で、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。

さぞ、個人投資家は儲かっているのかと思うのだが、ツイッターなどSNSを見る限り今一つ乗り切れていない人が多いようだ。なぜ、自分の株だけは上がらないのだろう?

日経平均急騰の真実

日経平均株価,見通し
(写真=PIXTA)

【世界景気が好調でリスクオン】

国際通貨基金(IMF)が9月10日に、17年と18年の世界の経済成長率を上方修正した。17年を3.5%から3.6%へ、18年を3.6%から3.7%への小幅上方修正ではあるが世界の景況感に翳りはない。機関投資家は通常、景気の拡大局面では債券から株に資金をシフトし、リスク許容度が高いポジションをとる。これをリスクオンといい世界株高現象になることが多い。

【日本株の割安感に注目した外人買い】

日本も例外ではない。4-6月の実質GDPは年率4%増市場予想の2.5%を大きく上回り、11年ぶりに6四半期連続の上昇となった。名目GDPはついにバブル期を抜き、長かったデフレから出たことを印象づけた。法人企業統計でも、日本企業の4-6月期の経常利益率はバブル期を越え過去最高となった。7-9月の決算発表が本格化してきているが、テクノロジー、設備投資関連などを中心に大幅上方修正が目立っている。

すでに米国、ドイツ、英国といった主要国市場は過去最高値を更新している。日本のPERはまだ15倍程度。米国市場が18倍で過去最高値なのと比較して日本株の割安感が目立ち始めた。割安感があり低金利が続く日本市場に注目した外国人の日本株への資産シフトが始まった。外国人は7月4週以降9週間連続で日本株を売り越していたが、9月5週に2018億円と買い越しに転じ、10月1週は6575億円、10月2週は4594億円と大幅に買い越している。

【地政学リスクの後退、政治の安定】

ファンダメンタルズが好調な割に日本株が放置されていたのは、地政学リスクと安倍政権の支持率低迷があったため。国連の北朝鮮制裁の決議以降北朝鮮はなりを潜めており、安倍政権は総選挙を経てむしろ強固になり、懸念材料が低下した。

【円安の進行】

9月8日の107円台を安値にドル円は円安トレンドに転換した。米国の景気指標は予想を上回るものが多く、米国は12月利上げが確実視されている。今後も米国が利上げを続けるなら、日米金利差が拡大するとの見方から円安となり10月25日には114円半ばをつけた。円安は日本企業の業績をさらに拡大させる可能性が大きい。

なぜ持ち株が上がらないか?