国土交通省発表が発表した2017年1月1日時点の公示地価は、全国平均(全用途)で前年比0.4%プラスと2年続けての上昇となった。

三大都市圏の騰勢に比べて、地方はいまだに沈滞しているが、その中で、三大都市圏以上に勢いを見せているのが札幌・仙台・広島・福岡の四大地方中枢都市圏である。

4大地方中枢都市圏とは何か

地価公示,地方,公示地価,インバウンド
(写真=PIXTA)

国土交通省が地価動向の概要を発表するにあたり、住宅地と商業地の用途別、三大都市圏つまり首都圏・中京圏・近畿圏と地方圏のエリア別に区分していることは、比較的よく知られている。

一方で、地方圏を四大地方中枢都市圏とその他の地方に区分していることはあまり知られていない。

国土交通省は、札幌・仙台・広島・福岡の四地方都市と、商業・交通・文化などで一体をなすエリアを四大地方中枢都市圏と定義している。

これらの地域は、第5次国土総合開発計画「21世紀のグランドデザイン」において、

  • 商業施設・住宅地・ホテルなどの都市機能を高度に集積した
  • 例えばなら福岡市なら九州一体の広域ブロックの核であり
  • かつグローバルな交流圏のハブとして機能する と位置づけられている

2017年の地価動向

全国レベルで見た場合、2017年の地価は、住宅地がマイナス圏を脱し横ばいに転じた。これは実に9年ぶりであり、商業地は1.4%と昨年より上昇率を強めている。

三大都市圏の地価は住宅地・商業地とも好調だが、勢いが鈍っている感は否めない。商業地は3.3%と前年より若干上昇率を伸ばしているものの、住宅地の上昇率は昨年と同じ0.5%である。大阪の住宅地は横ばいに転じている。

一方、地方は持ち直しているものの、住宅地・商業地ともマイナス圏内に沈んでいる。

ここまでの地価動向は巷でも比較的認知されている。ところが、この地方圏を四大地方中核都市圏とその他の地方に区分すると、意外な事実が浮かび上がってくる。

その他の地方が住宅地▲0.9%、商業地▲0.8%であるのに対し、四大地方中核都市圏は住宅地2.8%、商業地6.9%と、3大都市圏をも大きく上回っている。

活況を強めつつある札・仙・広・福

ではなぜ、四大地方中核都市圏の地価動向が好調なのか。理由の1つはインバウンド需要によるものと言われている。これらの都市はいずれも訪日客の増加が顕著で、宿泊施設の建設が進んでいる。

例えば福岡市内では宿泊施設の稼働率が9割近くという活況を呈している。福岡空港・博多港からの外国人入国者数はここ数年過去最高記録を更新し続け、2016年は257万人と4年前の3倍近くに達している。

ただし、外国人観光客の棚ぼた式な恩恵に与ったわけではない。これまで地道に続けてきた新幹線やメトロ網といった交通インフラの整備、古い町並みの再開発事業といった利便性を高める努力が功を奏したのも一因と言えるだろう。

九州エリアでは2011年に九州新幹線が鹿児島まで全通、高規格の高速道路網の整備も進み、従来九州エリアのネックであったアクセスの悪さも解消しつつある。これらの交通網は福岡を起点としており、ハブである福岡の発展を支えている。

人口流入も続く

札・仙・広・福では人口流入も続いている。平成27年国勢調査によれば、福岡市の人口は154万人に達し、ついに神戸市を抜いて政令指定都市で5番目となった。人口増加率は政令指定都市の中で第1位であり、毎年約1万人ずつ人口が増加している。

人口増も奏功し、住宅地の地価も騰勢が続いている。ただしエリアすべての地域が好調な訳ではなく、福岡市内では、早良区・中央区や駅から10分以内といった区域に人気が集中しており、デベロッパーも狙いを絞って仕込みにかかっている状況と考えられる。(ZUU online編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)