大企業が支給する今冬のボーナスは5年ぶりに前年割れとなる見込みという調査結果が、経団連より発表された。そんな中、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングによると、冬のボーナスの使い道は貯蓄が最も多く、調査開始以来初の4割超えとなったという。消費者の貯蓄傾向は強く、個人消費の本格的な回復には時間が掛かりそうだ。

冬のボーナス 5年ぶりに前年割れ

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(写真=PIXTA)

11月6日、経団連は大企業が支給する今冬のボーナスの第一次集計を発表した。調査は東証一部上場で従業員500人以上の大企業74社を対象としているが、それによると、今冬のボーナス額は91万9396円と前年比1.19%減となる見込みである。冬のボーナスが前年割れとなるのは5年ぶりだ。製造業で前年比1.22%減、非製造業で同0.73%減となっており、特定の業種が足を引っ張ったというわけでもなさそうだ。

企業業績は順調に伸びている。3月期決算企業の連結純利益は2017年3月期に過去最高を記録し、2018年3月期は2年連続の過去最高益を視野に入れる。株式市場も株高に沸き、26年ぶりの高値まで付けた。そんな中、ボーナスが前年割れする原因はどこにあるのだろうか。

今冬のボーナスが前年割れとなるのは、ネガティブな理由では無いと見られる。好調な企業業績を背景に、労働組合はベアの確保を優先しており、ボーナスの要求額を下げた企業が多い事が主因にある。ただ、好決算や株高を横目にしながら、ボーナスは前年割れする事となれば、ネガティブなイメージを与える可能性は高く、個人消費に冷や水を浴びせる事に繋がりかねない。

ボーナスの使い道、4割が貯蓄 景気回復の足かせに