冬のボーナスの妥結状況が日本経団連から発表され、全体としては▲1.19%と好景気を反映せず、下がっている。なぜ好景気にも関わらず冬のボーナスはマイナスなのだろうか? 業種によってはボーナスが増えている業種もあるが、なぜだろうか。

なぜ好景気なのにボーナスが下がるのか

ボーナス,経団連
(写真=PIXTA)

好景気であると言われている中で、ボーナスは5年ぶりにマイナスとなった。好景気なのにおかしいと思うが、経団連は「金額そのものは高い水準で推移している」との姿勢を崩しおらず、今回も「業績が悪化した企業で支給額を下げる動きもあった」という評価だ。

一方で「労働組合がベアの確保を重視し、ボーナスの要求額を下げた企業が多かったため」と述べるなど、景気の動向を反映していないという分析もある(日経新聞2017年11月6日)。ではなぜボーナスが上がった業種と下がった業種があるだろうか。

ボーナスが増えたのは「食品」「非鉄金属」「化学」

まずはボーナスが増えた業種について増加の幅が大きい順に紹介すると、まず「食品」は4.40%増えた。国内市場は縮小傾向にあるが、「固定費の増加を品ぞろえの拡充、海外展開の強化、原価低減などで吸収し、総じて増収増益の見通し」(帝国データバンク)のためだろう。次に「非鉄金属」は3.72%増。建設や半導体関連の需要が拡大しているためと見られる。「化学(硫安含む)」も堅調で2.31%増。帝国データバンクは10月調査で、「機械や電子部品の需要拡大を受けたゴムやプラスチック関係、インバウンド消費の増加を受けた市販薬などのヘルスケア商品が寄与」と指摘している。こうした背景がボーナスアップにつながっていると考えられるだろう。

ボーナスが減ったのは「自動車」や「造船」「電機」など

逆に減った業種ではまず「自動車」が最も大きく1.94%減少した。前年同期に比べ、売上高は全社で増収だったものの、国市場で苦戦したことからトヨタ自動車、ホンダ、マツダが減益となっている。

また「造船」は1.60%の減少。今治造船(愛媛県今治市)の檜垣社長は「新造船の受注が「年末にかけてある程度戻る」との見方を示す一方、船価については「満足のいくものではない」と指摘しており、造船業界はまだ回復には至っていないと考えられる(日経2017年5月26日)。

次に「紙・パルプ」は1.52%減。大手3社の4-9月期は増収減益だった。「セメント」は1.09%減だった。企業の設備投資が堅調なことや、前年度の補正予算が執行された影響などで、国内の需要が回復して全社が増収したものの、石炭価格の上昇分を吸収しきれず減益になったところもあったようだ。

そして「電機」は0.34%減少。ただし「海外事業の好調などを背景に、本業のもうけを示す営業利益は全社が増益。ソニーなど4社が過去最高の純利益を記録」(時事、10月31日)という報道もあるため、今回のボーナスへの反映が間に合わなかっただけかもしれない。

景気が良いと言っても業種によって良い業種もあれば悪い業種もある。また増益になっていてもボーナスにまで反映されていないということもある。今年もらえるボーナスは、業界全体の基準と比べてどうだろうか? 自社業界の景気を見るためにも比較してみるといいかもしれない。(ZUU online編集部)

【お詫びと訂正】 「紙・パルプ」業界の記述で、「日本製紙は最終赤字」とありましたが、参照元のデータが間違っておりました。最新のデータ(2018年3月期第2四半期までの累計)では同社は「増収減益」でした。訂正して同社および関係者の皆様にお詫びいたします。

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