かつての国の住宅に関わる施策といえば、新築住宅の建築や取得を促進する制度が大半だったが、建てては壊す大量消費が続き、環境によくない上、親が家を建てても子どもが建て替えなければならず、国民はいつまでも豊かになれない。
そこで、「いい家を建てて、大切に長く使っていく」時代への転換を目指して、中古住宅のリフォームや中古住宅市場の拡大を促進する制度が増えている。国の住宅施策の中心は、新築から中古やリフォームに軸足を移しているといっていいだろう。それだけに、リフォームへの支援策が充実しており、トクする制度が増えているのだ。
「長期優良住宅化リフォーム推推進事業」 補助金は200万円
リフォーム関連で最も大きな金額の補助金としては、何より「長期優良住宅化リフォーム推推進事業」を挙げることができる。
長期優良住宅とは、建物が継続して100年以上使用できる構造になっている耐震性能が高い、といった基本性能が優れているとして国の基準を満たす住宅。長く快適に住み続けるために不可欠な9項目を満たす必要がある。条件をクリアして認定を取得すれば、住宅ローン減税額が増える、固定資産税が安くなるなどのメリットがある。
新築住宅は建築時に認定を取得できるが、既存住宅についても、リフォームによって長期優良住宅にすることができる。この長期優良住宅化リフォームに補助金制度が実施されており、1戸当たり200万円になっている。
さらに、トイレやバス、キッチンなどを複数にする「三世代同居対応改修工事」を同時に行った場合には、それぞれ50万円が加算される。つまり、200万円+50万円で250万円になる。