11月13~17日の東京株式市場は揉み合いとなった。日経平均株価は2万2000円を割り込む場面も見られたが、同水準では押し目買いが入り反発している。ローソク足は陰線と陽線を交互に形成する「鯨幕相場」となっていることから、マーケットにやや気迷い感が広がっているようにも感じられる。これから年末に向けてどのような展開となるのか気になるところだ。
東証マザーズ「週間出来高」ランキング
それでは今回は東証マザーズ「週間出来高」ランキングをみていこう。
(1)ジーエヌアイグループ <2160> 545円 6686万2000株
(2)ソレイジア・ファーマ <4597> 338円 2099万5800株
(3)ブライトパス・バイオ <4594> 694円 2051万9000株
(4)インフォテリア <3853> 1120円 1624万1400株
(5)フィル・カンパニー <3267> 3140円 1349万5000株
(6)UMNファーマ <4585> 617円 1161万2300株
(7)アンジェス <4563> 597円 861万4500株
(8)中村超硬 <6166> 5690円 741万1400株
(9)リネットジャパングループ <3556> 561円 649万8600株
(10)CYBERDYNE <7779> 1421円 638万9200株
※銘柄、証券コード、17日終値、出来高。データはヤフーファイナンスに基づく。
先週の東証マザーズ指数は前週末比10.79ポイント安の1132.88ポイントで取引を終了した。週前半3日は下落、残り2日は上昇と、日経平均株価とほぼ連動した動きをみせた。出来高上位10社を業種別でみると、医薬品が5銘柄と半数を占めた。他は情報・通信業、建設、小売業、機械、精密が各1銘柄だった。
ソレイジア・ファーマ、米アルカミ社と契約締結
今回は上記ランキングからソレイジア・ファーマ、ブライトパス・バイオ、中村超硬の3銘柄を取り上げたい。
ソレイジア・ファーマは創薬ベンチャー。今年3月に東証マザーズ市場に上場した。同社はがん治療薬と副作用を抑える薬の臨床試験を進めているがまだ上市した製品はなく、臨床開発への先行投資に取り組んでいる。
11月10日、米アルカミ社が「医薬品有効成分ダリナパルシンの臨床供給製造向け」にソレイジア・ファーマと製造契約を結んだと発表したことが伝わり、買い手掛かりとなった。
米アルカミ社は製薬業界向けの開発製造サービスを手掛ける企業ということもあり、先行きに対する期待から出来高も膨らみ、今回のランキングで2位となった。
ブライトパス・バイオ、国立がん研究センターとの共同研究へ
ブライトパス・バイオは久留米大学発の創薬ベンチャー。旧社名はグリーンペプタイド。今年7月に現在の商号に変更した。
10月27日、ブライトパス・バイオは国立がん研究センターと「ネオアンチゲンワクチンによる完全個別化がん免疫療法の共同研究契約」を締結したと発表した。この発表を手掛かりにブライトパス・バイオ株は人気化、株価上昇とともに出来高も膨らみ今回のランキングで3位となった。
なお、先週17日にはがん治療の効果向上が期待される「多能性幹細胞を用いた免疫機能再建法に関する特許」が、米国に続き日本国内でも成立したと発表。同社はソレイジア・ファーマと同様に医薬品の臨床開発への先行投資に取り組んでおり、株式市場もがん治療の「未来」に期待を寄せているようだ。
中村超硬、通期予想を上方修正
中村超硬は、電子部品などに使う電子材料ウエハーを切り出すダイヤモンドワイヤー(細いピアノ線にダイヤモンドの砥粒を固定した糸状の切断工具)や、特殊精密部品などを開発・製造する機械メーカー。2015年6月にマザーズに上場した。
11月10日、中村超硬は2018年3月期の通期連結営業利益予想を、従来見通しの8億円から15億円に上方修正した。これを受けて同社の株価は出来高の増加を伴い急上昇し、今回のランキングで8位となった。(ZUU online 編集部)