日経平均株価は11月9日につけた高値2万3382円でいったんの天井をつけたようだ。株価はその後、調整を余儀なくされている。2万3000円を超えてバブル崩壊後の高値を更新した時、さらなる上昇を期待して株を買った個人投資家は今、株式市場はどこまで値下がりするのかと不安になるはずだ。株価がどこまで下がるのかを分析するために使える指標をお伝えしていく。

テクニカル分析から考えてみると

投資,テクニカル指標
(画像=PIXTA)

「株価が上がると思っていたのにどうして下がったのだろうか?」 「株価が下がると思っていたのにどうして上がったのだろうか?」

株式投資を行っている個人投資家であれば、このような経験を一度や二度は体験するもの。こうした事態をできるだけ避けるために、個人投資家の多くは、過去の株価の動きを参考にして今後の株価動向を分析するテクニカル分析と、企業業績の推移から今後の株価動向を分析するファンダメンタル分析を活用して、株価の動きを考えるべきである。株式に投資するのであれば、これらを活用して株価動向を分析することは最低限行うべき行動だと言えるだろう。

株式市場は時に、我々個人投資家の想定を超える勢いで動く場合もある。11月9日に高値2万3382円をつけた時、2万3000円という節目だったこと、売買が急速に活発になったことで出来高が急増した。このような事象が重なったことで、テクニカル分析の側面からは、いったんの天井打ちの一つの要因になったと考えることができる。株価はその後、さらに上昇するわけではなく、下落に転じている。

景気動向指数とは

株価は経済動向を表していて、景気が良ければ株価が上昇するのが一般的だ。景気の状況を把握したり、将来の動向を予測したりする場合に使われる経済指標に、景気動向指数がある。景気動向指数は、産業や金融、労働、消費などといった経済に重要な29項目の景気指標をもとに指数が算出されていて、数カ月先の景気動向を表す「先行指数」(11項目)と、景気の現状を表す「一致指数」(9項目)、景気に半年から一年ほど遅れて現れる「遅行指数」(9項目)の3つに分けられる。

日本の株式市場の代表的な株価指数としては、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価がある。中でも、経緯動向指数のうちの先行指数として、東証株価指数が採用されている。東証株価指数が先行指数として採用されているということは、株式市場は、景気の動きに対して数カ月先の経済状況を表す指標の一つとされているのである。これから景気が悪くなることが見込まれるのであれば株価は先んじて下落し、反対に、景気がこれから良くなることが見込まれるのであれば株価は先んじて上昇することになる。

「実感なき景気回復」などというフレーズを聞いたことが一度や二度、聞いたことがある人も多くいるのではないだろうか。東証株価指数が先行指標とされていることを見ても、景気を実感する半年ほど先を織り込んで株価は動くわけだから、時間がないのも当然の結果なのである。逆に言えば、景気回復を実感できた時はすでに景気のピークを終えていることにもなるのだ。

ファンダメンタル分析から考えてみると

10月に行われた衆議院選挙に向けて、株式市場が上昇したという側面ももちろんあるだろう。しかし、ファンダメンタル分析の側面から考えてみた場合、株式市場は今後数カ月先の景気回復を織り込み始めて上昇した側面も否めない。

日経平均株価のPER(株価収益率)の適正水準の目安は一般的に、14倍から16倍あたりだとされている。PERでは株価と企業の収益力を比較して、株価が割安か割高かを分析することができる。同業他社やその会社の過去の株価水準と比較し、収益力から株価の水準を分析することができる。

日経平均プロフィルによると、2017年8月、9月の当時のPERは14倍を割り込む水準であったことがわかる。企業業績が好調に推移すれば、収益力の高さを表すEPS(一株当たり純利益)の数値は上昇し、株価は結果的にさらに上昇することになる。多くの個別企業が好調な決算を発表した事実を鑑みれば、その当時のPERは割安だったと判断できるため、この状況を織り込んで株式市場は上昇したことがわかる。

日経平均プロフィル:https://indexes.nikkei.co.jp/nkave

株価が上昇すると、「それほど景気も良くなっていないのに、株価が上昇するのはけしからん!」などと考え、株価の下落を見込んで信用取引で売りの取引=空売りを行う投資家も多くいる。しかし、東証株価指数が先行指標である点を考えると、現状の実感だけで景気の良し悪しを判断することは極めて危険だ。数カ月先の景気を想像しなければならないわけだが、それを分析することは困難を極めるからこそ、徹底した調査が必要になるのだ。

株式投資に絶対はない。テクニカル分析も、ファンダメンタル分析も、必ず当たるわけではない。しかし、テクニカル分析であれば想定外のチャート形状になったり、ファンダメンタル分析であれば想定以上の数値が出たりと、どちらの分析方法でも株価がどう動くのかのシグナルが出る場合もあるだろう。

株式市場がいくらまで下落し、いくらまで上昇するのか、今後の株価動向を考えるために、ぜひともテクニカル分析とファンダメンタル分析を活用しておきたい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行、講演活動、株塾を行う。公式サイト「横山利香の資産運用コンシェルジュ

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