アリババグループの金融活動はとどまるところを知らない。このほど地方銀行の最大勢力と提携を実現させた。

11月下旬、100をはるかに超える中小銀行の代表が江蘇省・南京市の紫金山に集結した。紫金山は江南四名山の1つ、11月上旬には、700人を集めた両岸(中国と台湾)企業家サミットが開かれている。歴史上の象徴的な場所であり、北京や上海よりかえって目立つ。ここに集結した中小銀行家たちの目的は何か。経済サイト「財経捜索」が伝えた。

地銀の盟主、南京銀行

中国経済,アリババ,BATJ
(画像=南京銀行Webサイトより)

主催者は南京銀行である。同行は1999年設立の国有の地方銀行で、2007年に上海市場へ上場を果たしている。2010年には中国の「金融時報」と社会科学院金融研究所によって、年間最優秀の中小銀行に選ばれた。地方銀行のリーダー格である。その南京銀行は2013年、65の地方銀行と共同で「鑫合金融倶楽部」を組織した。それが今年は142行に増えた。紫金山会議はその年次総会である。

南京銀行行長は、鑫合倶楽部秘書長(事務局長)を兼ねている。彼は次のように述べた。各領域における提携の成果は順調に上がっている。テクノロジーの共有はその代表的なものである。2018年の「重点工作」は、テクノロジー共有の新しい局面を切り開くことだ。会員銀行各行の、技術、業務、ビッグデータを共有化するため、「鑫雲+プラットフォーム」「鑫E家プラットフォーム」「ビッグデータプラットフォーム」などを実現する。そのため今年9月、南京銀行と阿里雲、アント・フィナンシャルは提携協議に正式署名した。

大銀行とBATJ(バイドゥ、アリババ、テンセント、JD京東)

またアリババの登場である。阿里雲はアリババグループのクラウドコンピューティング会社、アント・フィナンシャルは金融統括会社だ。

これより前、すでにBATJなどネット企業大手と金融機関との提携は目まぐるしく進行していた。例えば中国最大の銀行、中国工商銀行では、早くも2004年にテンセント、2007年にはアリババと提携している。同行は今年に入り、京東とも提携している。国有四大銀行はどこも似たり寄ったりである。今やBATJによりかかっているのだ。

こうした状況をアリババ側から見てみよう。すでに200社の「銀行類金融機構」100社の「金融会社」90社の「保険会社」と何らかの提携関係にある。ただし各社との“重点契約項目”は同じではない。アリババの下に統一されているわけではないのである。

南京銀行とアリババ、一致した思惑

今後、南京銀行は「鑫雲+プラットフォーム」をアリババグループの技術力を借りて、会員各行に開放していく。南京銀行がパートナーとしてアリババを選んだ理由は、やはりすでに100行に及ぶ地方銀行との提携関係にあった。南京銀行は、地銀盟主の地位を揺るぎのないものとし、アリババは、プラットフォームの統一を力として、金融界再編のエンジンとなる。両者の思惑は一致していたのだ。

南京銀行は「鑫雲+プラットフォームは、会員各行とオンラインとの懸け橋で、提携業務の包括モデルである。また客流の新しいモデルも提供する。それはネット銀行など、ダイレクトバンクの顧客を、地方銀行に導くものだ。また共同でリスク管理と資産管理を行い、シンジケートローン、理財商品の開発も共同で行う。」と述べている。

アリババグループは、これらの動きにすべて関与できる。すさまじいビッグデータが集まりそうだ。一体どこまで強力な金融グループとなるのだろうか。もはや一挙手一投足すら見逃せない存在である。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)