中国経済,アリババ,BATJ
(画像=南京銀行Webサイトより)

目次

  1. 金融制覇の野望は実現目前か
  2. 地銀の盟主、南京銀行が主導
  3. 大銀行と提携を進める
  4. 南京銀行とアリババ、一致した思惑

金融制覇の野望は実現目前か

アリババグループの金融活動はとどまるところを知らない。2017年には地方銀行の最大勢力と提携を実現させた。

アリババの元に集結した 中小銀行家たちの思惑はどこにあるのか。経済サイト「財経捜索」の報道をもとにアリババと銀行の関係や狙いを探ってみよう。

地銀の盟主、南京銀行が主導

2017年11月下旬、100をはるかに超える中小銀行の代表が江蘇省・南京市の紫金山に集結した。紫金山は江南四名山の1つ、11月上旬には、700人を集めた両岸(中国と台湾)企業家サミットが開かれている。歴史上の象徴的な場所であり、北京や上海よりかえって目立つ。

この会合は、地方銀行でつくる「鑫合金融倶楽部」の年次総会だった。会の秘書長(事務局長)を務めるのは南京銀行行長。。同行は1999年設立の国有の地方銀行で、2007年に上海市場への上場を果たしている。2010年には中国の「金融時報」と社会科学院金融研究所によって、年間最優秀の中小銀行に選ばれた地方銀行のリーダー格である。その南京銀行は2013年、65の地方銀行と共同で同倶楽部を組織。それが17年には142行にまで増えた。

総会で南京銀行行長は次のように述べた。

各領域における提携の成果は順調に上がっている。テクノロジーの共有はその代表的なものである。2018年の「重点工作」は、テクノロジー共有の新しい局面を切り開くことだ。会員銀行各行の、技術、業務、ビッグデータを共有化するため、「鑫雲+プラットフォーム」「鑫E家プラットフォーム」「ビッグデータプラットフォーム」などを実現する。そのため今年9月、南京銀行とアリババクラウド(阿里雲)、アント・フィナンシャルは提携協議に正式署名した。

大銀行と提携を進める