人工知能を使い養豚業に進出
アリババが2018年2月、養殖産業に進出すると発表した。その第一弾は畜産業、養豚である。アリババグループのクラウドコンピューティング子会社「アリババクラウド(阿里雲)」と「四川特駆集団」「徳康集団」が提携し、「ET大脳」を利用した研究開発を行い、最終的には全面的なAI養豚を実現させるという。アリババはいったい、どのような将来図を描いているのか。
畜産業に乗り出す中国IT企業
「ET大脳」とは、アリババクラウドが開発している人工知能(AI)である。これまで、アリババグループは工業、都市交通、医療健康、環境保全、金融、物流などの分野でAIの活用を図ってきた。それを今度は養殖産業にまで広げようというのだろう。
養豚でのAIの役割は、豚を一頭ごとに細かく監視し、記録することだ。毎日の生育状況や健康状態、運動量などをチェックして記録する。また食事の量、排便量、叫び声などから、病気の有無も診断できる。もし病気と判断したら、処方箋も提示する。これらのデータの蓄積は、必ずや畜産業に変革をもたらすだろう。
実は、アリババよりも前に畜産業に進出したIT大手企業はある。
2016年に「網易」は、黒豚市場にインターネット入札を導入した。売買が格段に便利となり、悪貨を駆逐し、品質や味の面でも高い評価を受けている。また、2017年に「京東」は、ある牧場と提携し、スマート化養牛、養鶏業に進出した。100万歩走り回らせた「跑歩鶏」を生産している。
アリババの進出は、真打ちの登場ともいえるだろう。